日常生活レベル以上の刺激を筋肉に与えなければ筋肉は育ちません。

例えば、ダンベルカールで何も持たずに行なった場合どうでしょうか?

腕の曲げ伸ばしは普段の生活でも常に行なっている動作です。
これでは、いま以上の筋肉(筋力)を必要としないため、これ以上筋肉は育とうとしません。
筋肉は、いま以上に力が必要だと思った時により強くなってその負荷に対応しようとするのです。

負荷をかけずに曲げ伸ばしを行なうだけでは、筋肉がより強くなろうとするスイッチがオンになることはないのです。

そのため、たとえダンベルを用いたとしても、楽に出来るようになったら、重さを増やして筋肉により負荷をかけてあげる必要があります。

ただし、日常生活以上の負荷を”自分の体重”(自重)で与えることができれば、一定レベルまでダンベルは必要ありません。

例えば、腕立て伏せ

この場合、仕事やスポーツ活動の有無で変わってきますが、一般的に胸や腕への負荷は日常生活レベル以上になります。

そのため、一定レベルまでは腕立て伏せでも筋トレ効果が十分に期待できます。

自重トレーニングでも、しっかり効かせれば限界はあるとしても筋肥大することになります。特に筋トレ初心者は効果が出やすいでしょう。

ただし、一定レベルといったのは、やはり楽に出来るようになったら筋肉は育ちません。
(筋持久力向上を目指す場合は自重でも可能。ただしレベルによっては相当な数をこなす必要があります)

その場合、目標に応じて負荷を加える(腕立ての場合、背中に重りを乗せるなど)かスロートレーニングなどで効率的に刺激を加えてあげる必要があります。

自重トレーニングで負荷・強度を高めていく方法

ダンベルがあるとトレーニングの幅が広がりますし、効果が出やすいのは確かですが、どうしても用意できなかったり、あるいはダンベルを使わずに筋トレ進めたいと思っている人もいるでしょう。

そのような場合に、モノを使ったりや負荷を他動的に加えることなく自重トレーニングのみで強度を高めて、効果を引き出す方法を紹介したいと思います。

自重トレーニングは、道具を使わずに自分の体重のみを負荷にして行うトレーニングですが、工夫次第で強度を高くしていくことができます。

その方法には、支持点を減らす、角度・体勢を変化させる、回数や保持時間を増やす、重力を利用する、動きを付けるなど、いろいろな方法が挙げられます。

以下では、「アームスタンディング(初級プランク)」と「腕立て伏せ」を例に具体的な方法を解説します。

まずは、腕立て伏せの姿勢で静止する「アームスタンディング(初級プランク)」。

体力に自信のない方や初心者の方などの導入編として取り組みやすい種目です。
方法は、動画をご覧ください。



アームスタンディング(初級プランク)

この種目は腕立て伏せの姿勢を取ったら、そのままの姿勢で静止することで体幹を中心として、全身を強化できます。手軽にできる上、初心者にとっては効果が高いトレーニング種目です。ぜひ日々の筋トレ習慣に取り入れてもらえればと思います。

腕立て伏せの姿勢を保持することが、動作の基本となり、最も負荷が低くい状態です。

この姿勢のまま強度を高める方法としては、保持時間を増やすことです。
最初は60秒間微動だにせずできるようになることを目標とし、なかなかクリアできないとしても、日々鍛錬を進めていくとのちに60秒間が楽にできるようになってきます。

その時、保持時間の目標を延長することで強度を高めることになります。

60秒間楽にできるようになったら、目標を90秒を変更にするような形になります。

さらに鍛練していき、動画で解説しているように3分以上楽にできるようになったとしたら、それ以上保持時間を伸ばしても時間効率と効果の面で釣り合いが取れなくなってきます。伸び悩んでくるわkですね。

その場合は、片脚を浮かすことで支持点を減らして負荷を高くします。

片脚を浮かすことで、上げた方に回転力がかかり、それに伴い強い力で床面を捕えて保持することを強いられることになります。
ちょっとしたことですが、腹部などの体幹と肩・腕、そして床についている脚の負荷が増大することになります。
特に床についている方の太ももには強く力が加わっていることを感じることができると思います。

さらに、浮かす方法でも強度が低くなった時は、動画で解説しているようにカエルのように片脚を横に引き付けて行うようにします。
重心が横に広がることで、回転力がさらに強くなり強度が高まることになります。

このように自重トレーニングで負荷を高めるには、物理の法則に則って動きや形を考えることが大切になってきます。

自重トレーニングで負荷を高めていきたいと考えたら、物理の法則を思い出してみて下さい。

簡潔に言えば、不安定な体勢を作り出し、その体勢を保持する。
あるいは不安定な体勢のままバランスを崩さないようにして動作する。上記の例で言えば、浮かした脚を左右や上下に動かすことで、さらに強度が高まることになるでしょう。

自重トレーニングは、マチョになりたい場合や筋肉をどんどん大きくしていきたいといった場合は限界があることは確かです。

でも、発想力を持って継続的に取り組んでいけば、引き締まったかっこいい体を作ることができます。
自重トレーニングでも工夫次第で多くの人の目標を十分に叶えられることも確かなのです。

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