基本的には、複数の種目を短時間で行なう場合、大きな筋肉を使うトレーニングから実施し、相対的に小さな筋肉を使うトレーニングは後にまわすようにします。
分かりやすいように、2種目を実施する場合の例でみてみましょう。
ある日、ダンベルベンチプレス と ダンベルカールを行なうとします。
さて、大きな筋肉を使うトレーニングはどっちでしょうか?
・ ダンベルベンチプレスは、大胸筋
・ ダンベルカールは、上腕二頭筋(力こぶ)
この場合、ダンベルベンチプレスの大胸筋であることが分かります。
つまり、トレーニングの順番としては、
1.ダンベルベンチプレス
2.ダンベルカール
の順番で実施するのが正解。
なぜ、大きな筋肉を使うトレーニングから実施するのか?
大きな筋肉を鍛えるトレーニングは総じて他の小さな筋肉も動員して行なわれます。
例えば、ダンベルベンチプレスでは大胸筋をメインに鍛えますが、実際は大胸筋だけの力でトレーニングしているのではなく、他の筋肉と連動しながらトレーニングを行なっています。
もちろん、メインは大胸筋なので他の筋肉の動因割合は少なくなりますが、それらの筋肉が疲れていて、十分な協力がなければフォームの崩れを招いたり、さらにはダンベルが思うように上がらないといったことにもなってしまうのです。これでは、非効率です。
このようなことにならないために、
小さな筋肉が疲れていないうちに実施することが必要になってくるのです。
ちなみに、ダンベルベンチプレスで大胸筋の他に動員される筋肉は、主に三角筋や上腕三頭筋なのですが、使われる筋肉の割合は、大胸筋が70%程度、それ以外の三角筋や上腕三頭筋などが30%前後であると言われています。
このように小さな筋肉から鍛えてしまうと、大胸筋は疲労してないのに、協力してくれる他の筋肉が疲労しているため、思うようにトレーニングができなくなってしまうのです。
逆に小さな筋肉は複数が連動してパワーを発揮しているので、一つ一つの疲労はメインの部位に比べて大きくありません。
そのため、大きな筋肉を鍛えるトレーニングの後でも適切にトレーニングを実施すことができるのです。
種目数が多い場合もこの原則に照らし合わせて、「大きな筋肉を鍛えるトレーニングを先に実施し、相対的に小さい筋肉を鍛える場合は、後に実施する」ということを念頭に順番を組んでみましょう。
筋トレの順番・種目配列(大筋群+多関節運動→小筋群+単関節運動)では、より詳しく順番や配列例などについて解説していますので、参考にして下さい。