肩甲骨周りの筋膜をリリースする方法です。テニスボールを2つ繋げたものを用意し、肩甲骨の間(ボールの間に背骨が入る状態)にボールをセットします。この姿勢から、腕を互い違いに上下させて圧を加えていきます。動画では別の方法も解説しています。
対象
- 肩甲骨周りのコリや固さを感じている方
- 肩甲骨周りの動きが悪い方
- 肩こりの方
- 猫背気味の方・猫背の方
リリース部位
肩甲骨周り
圧をかける時間
60秒~90秒(程度によって3分~5分まで延長)
手法解説
脚にギムボールまたは厚手のタオルを挟み、テニスボールは床に置きます。
(脚にもの挟むのは、腰を固めて浮くのを防ぐためです)
続けて、背骨と肩甲骨の間にテニスボールがくるように仰向けに寝てきます。
(ポジションがつかみづらい場合は、何度がセットし直してください)
セットできたら、腕を上に伸ばし、左右の腕が互い違いになるように上下させます。
もう一つの方法としては、手を頭に沿えて、背中を上下させる方法があります。
クランチ(腹筋運動)の動きをイメージしてもらえればと思います。
少しずつポイントをずらしながら、圧を加えていくようにするとよいでしょう。
特に肩甲骨周りの動きが悪い方、肩こりの方、猫背気味や猫背の方は入念に行うようにしてみましょう。
※テニスボール(2つ用意し、テーピングなどで合体させる)は、事前に用意しておきましょう。
筋膜リリース以外の効果
肩甲骨周りほど、手が届きにくい部位はありません。届いても無理な体勢を強いられ、ほぐしたり、揉んだりすることは現実的ではありません。
人体の中でもっとも触りにくい部位が背中であり、その中でも肩甲骨周りは最難関に位置する部位なのです。
そのため、筋膜リリースをはじめ、マッサージなどほぐしたり、揉んだりするためにはテニスボールなどの道具を用いるのが現実的な選択となります。
肩甲骨は、腕の動作に密接にかかわっていることから肩甲骨周りの筋群を適切に保つことは日常動作を安定して行う上で欠かせません。
肩甲骨周りで特に触れにくく、ほぐしにくいのが、肩甲骨の内側です。
マッサージ店などで施術してもらわない限り、普段はまったくほぐすことはない部位と言っても過言ではありません。
(この部分をリリースして身体の機能を正常に戻したり、保つことを目的にしたのがここで紹介しているリリース方法になります)
それゆえ、血流の滞りやコリが溜まりやすい部分であり、ケアをしないと肩甲骨の可動性が低下し、腕の動作に制限が出たりと影響が出てくることになります。
そのため、筋膜リリース目的でなくてもコリをほぐす目的で常日頃からほぐしてあげることは、体の機能を適正に保つ上で欠かせないと言えます。
また、肩甲骨周りの可動性において注目されているのがスポーツ現場です。
多くのスポーツでは腕を使ってプレーすることが多いですが、このとき肩甲骨の可動性、正常性、柔軟性など、いろいろな機能の正常化、あるいは強化レベルがプレーの質に反映されます。
そのため、スポーツ選手においては肩甲骨周りのケアは欠かすことができないものであります。
そのくらい重要な肩甲骨周り。スポーツをしているしていないに関わらず、日頃のケアを心がけてみてはいかがでしょうか。
自分一人でできる「セルフ筋膜リリース」の方法動画一覧
- 筋膜リリース(筋膜はがし)とは/セルフ筋膜リリース実践講座(1)
筋膜リリースは、癒着・収縮した筋膜をはがして元に戻すことから「筋膜はがし」と言われることもあります。まずは基本を学んでスムーズな実践へとつなげましょう。 - 『足の裏』編/セルフ筋膜リリース実践講座(2)
足裏の筋膜リリースは、テニスボールを踏むだけなので手軽に行うことができます。足つぼ効果で冷え性改善にも効果的です。1日1回を習慣にするとよいでしょう。 - 『ふくらはぎ』編/セルフ筋膜リリース実践講座(3)
ふくらはぎは心臓に血液を送るポンプの役目もあります。リリースに関わらず、ほぐすだけでも血行が良くなりますので、習慣にして健康にも役立てましょう。 - 『太もも裏』編(ストレッチポール)/セルフ筋膜リリース実践講座(4)
ストレッチポールの上にハムストリングスを乗せて圧を加えていきます。違和感を感じたら、その部分を入念に圧をかけるようにしてみましょう。 - 『太もも前』編(ストレッチポール)/セルフ筋膜リリース実践講座(5)
うつ伏せの姿勢で太ももの前側に圧を加えていきます。痛みを感じやすい部分なので、まずはゆっくり動作して確認しながら行ってみましょう。 - 『太もも内側(内転筋)』編(ストレッチポール)/セルフ筋膜リリース実践講座(6)
脚を横に広げ内ももをストレッチポールの上に乗せて圧を加えていきます。リラックスして心地よさを感じながら行ってみましょう。 - 『太もも外側』編(ストレッチポール)/セルフ筋膜リリース実践講座(7)
太ももの外側は刺激が入りやすく、無理に圧を加えると反射的に筋収縮が起きてうまく圧を加えられません。加減を調節しながらリリースを施すようにしましょう。 - 『お尻(大殿筋)』編(ストレッチポール)/セルフ筋膜リリース実践講座(8)
お尻の下にストレッチポールやテニスボールを置き、体重を乗せて圧を加えます。姿勢をコントロールして圧を調節しながら、お尻全体をまんべんなくほぐすようにします。 - 『背中(広背筋)』編(ストレッチポール)/セルフ筋膜リリース実践講座(9)
背中側に共通することですが、普段あまり意識することがないため不調に気づきにくい部分です。定期的にメンテナンスをして癒着や収縮の予防・解消に繋げましょう。 - 【閲覧中】『肩甲骨周り』編(テニスボール)/セルフ筋膜リリース実践講座(10)
肩甲骨周りのリリースは、圧を加えるポイントに少々コツが必要ですが、普段触れることがない部分をほぐすことができ動作の改善に繋がることが少なくありません。 - 『小胸筋』編(テニスボール)/セルフ筋膜リリース実践講座(11)
小胸筋付近が凝り固まっていると猫背の一因になっている場合があります。癒着の予防・リリースと同時に日頃から凝りをほぐしておきましょう。