公園にある鉄棒を使って広背筋を鍛えるチンニング、いわゆる懸垂の方法を解説・実演します。昨今の鉄棒事情においては、背の高い鉄棒がない公園が多いため、短い鉄棒で広背筋に効かせるチンニングの方法を解説します。


公園トレーニング一覧

鍛えられる筋肉

広背筋

種目解説

通常のチンニングは可動域の全部を使って行いますが、ここで解説する方法は可動域の一部を使って行うテクニック「パーシャルレップ」での実践になります。

今回の場合は、パーシャルレップにより広背筋への刺激を持続させるため、肉体的にも精神的にきついトレーニングになります。
初心者の方は、反復回数にこだわらず、まずはフォームの習得を第一の目標として実践してみましょう。

今回は2種類のチンニングを解説しており、1.広背筋に広がりをつけるチンニング(一般的な方法)、2.背中に厚みをつけるのに有効な「スターナム・チンニング」を解説しています。

ポイントは、肩甲骨の動きを意識して動作することです。
初心者の方は、腕(主に上腕二頭筋=力こぶ)の力で上げようとして腕が先に疲労し、うまく反復できないばかりか広背筋への刺激も低下してしまいます。

広背筋にしっかりと刺激を加えるためには、肩甲骨を支点に動作し、肩甲骨を寄せることを意識して引き上げるようにしてみましょう。
逆に下ろす時は、肩甲骨を広げることを意識します。
上級者になると、しっかりと広背筋に効かせるために上腕二頭筋を可能な限りリラックスした状態で反復することも可能になります。

正しく効かせるチンニング(懸垂)は、見た目以上に難しいトレーニングです。
何度もフォームを練習して、しっかりと広背筋に効かせるされるようにしましょう。

なお、足が付かないくらい背の高い鉄棒を使う場合は、肘(腕)を伸ばし切ると同時、または伸ばし切る寸前に引き上げるのが有効です。

動作解説

広背筋に広がりをつけるチンニング(一般的な方法)

  1. 鉄棒を肩幅よりも広めにして握る。
  2. 地面から足を離し、肘が曲がっている状態からスタートする。(スタートポジションで肘を曲げた状態に保つことで広背筋への刺激が持続する)
  3. ※鉄棒の高さによって角度は違ってきます。どちらかというと角度を意識するより膝を地面すれすれで浮かすことをイメージして下さい。

  4. 肘を曲げ、体を引き上げていく。あごを鉄棒に近づけるイメージで。
  5. 肘を伸ばし元の姿勢に戻る。

同様の動作を所定の回数繰り返す。

背中に厚みをつけるのに有効な「スターナム・チンニング」

  1. 鉄棒を肩幅よりも狭くして握る。握りは下から握るアンダーハンドグリップ。
  2. 地面から足を離し、肘が曲がっている状態からスタートする。(詳細は上記同様)
  3. 肘を曲げ、体を引き上げていく。胸を鉄棒に近づけるイメージで。
  4. 肘を伸ばし元の姿勢に戻る。

同様の動作を所定の回数繰り返す。

目標回数

10回×3セット(セット間は30~60秒休憩)