筋トレ初心者からレベルアップして腹筋を効果的に鍛えるダンベル・クランチの方法を実演・解説します。自重で行うクランチが一般的ですが、ここではダンベルで負荷を加えることで、より筋肥大を促す刺激を加えます。やり方をマスターして、さらなる腹筋の成長を目指しましょう。
鍛えられる筋肉
第1ターゲット ・・・ ■腹筋上部
第2ターゲット ・・・ ■腹筋下部
腹筋をかっこよく割るには
腹直筋は、腱画という組織(縦には白線が走る)によって区切られていて、これによりシックスパック(人によってはエイトパック)を形作ります。
そのため、脂肪を落とせばその下にある腹筋が現れ、割れて見えるようになります。
しかし、特に男性の場合、それだけではかっこいい腹筋には程遠く、単にやせ体型に分類さてしまいます。
シックスパックと言うには、まったく物足りないのです。
では、どうすればいいのか?
腱画で区切られた筋肉を肥大させることが重要になってきます。
腱画で区切られた腹直筋の一つ一つを盛り上げ、立体感を出すことで真のシックスパック言える腹筋が作られるのです。
つまり、脂肪を落とすことと腹筋を肥大させること、この2つが正真正銘のシックスパックを作る上で欠かせないということです。
ここでは、その腹筋を肥大させる方法のひとつ、過負荷をかけて効果的に腹筋を鍛える方法を解説しています。
”ひとつ”としたのは、他にも様々な方法があるからです。それらの方法については、今後紹介していきたいと思います。
腹筋は肥大しにくいがゆえ、うまく鍛える必要がある
腹直筋は姿勢を支持したり、呼吸を助ける役割のある筋肉であることから持続的な力発揮が求められる筋肉です。
そのため、遅筋繊維が優位な部位であり、目に見えて肥大していくような筋肉でありません。
体脂肪が少なく、鍛え上げられた体を見ても、大胸筋より腹筋の方が厚みがあるいったことはないと思います。
しかし、腹直筋はどちらかというと平べったい筋肉なので、少しの筋肥大でも立体感が生まれ、引き締まった割れた腹筋が作られます。
それだけでも、他人が見たときに「いい体している」と思われる腹筋となるでしょう。
ここまでなら、一般的なクランチだけでも可能です。
毎日~1日おきに限界まで反復する方法(1セット1セットを潰れるまで反復する)で3~5セット行えばよいでしょう。
この段階で、あなたの目指す体が達成されれば、あとは続けていくだけです。
しかしながら、程度の差こそあれ、もっと盛り上げたい、もっと溝を作りたい、バキバキに割りたいなど、まだまだ現状に満足できず、さらなる高みを目指そうとする人もいるかと思います。
そのような時に取り入れるべき効果的なトレーニングのひとつが動画で紹介している「ダンベル・クランチ」です。
ダンベルで負荷を加えて、今まで以上に刺激を加えてやるわけです。
ダンベル・クランチの反復回数は限界でなく、筋肥大において最も効率的で効果的な回数、8RM~12RM(×3セット)で行います。つまり、8回~12回が限界になる負荷でトレーニングします。
効率的に筋肥大を促すためには、この回数に収まるように負荷(ダンベル)を調節する必要があるのですが、最初の内は試行錯誤しながら重量を調節する形で大丈夫です。8RM未満しか反復できなかったら重量を軽くし、12RMを超えて反復できたら重量を重くするなどします。
自重で行う腹筋トレーニングは負荷が調節しにくいため、限界まで反復することで成長を引き出す方法が一般的ですが、ここでは効率も効果も考慮に入れた方法をとることで、さらなる成長を引き出すことを目指します。
それが、負荷を加えて8RM~12RMで行うことです。
8回~12回に収まればいいので、単純に切りよく10RM(10回が限界)を目標にトレーニングメニューを作ってもよいでしょう。
ただ、いろいろな要因によって重量の調節が難しい場合もあるでしょう。
その場合は、限界まで繰り返す方法で構いません。(例えば、重量が固定されたダンベルが一つしかない場合など)
ただし、あまり重すぎる重量を用いることは避け、最低8回以上はできる重量で行うようにして下さい。
(ダンベルがない場合は、リュックなどに本を入れて冊数で重量を調節することもできます)
限界まで繰り返す方法は、8RM~12RMで行うよりは効率的ではないかも知れませんが、疲労が緩やかであること、重量の調節など意識を振り向けるところが少なくなることなどから、比較的挫折しにくく、最もやりやすい方法です。
ダンベル・クランチでは負荷を加えているので、通常のクランチで限界まで行うよりは筋肉への刺激が強く、さらに成長を促すことができるのは確かです。
限界はありますが、それ以外の回数では筋肥大しないというわけではないの安心して下さい。
この点については、ダンベルのあるなし、重量の調節可否だけでなく、続けやすさ、やりやすさ、体力から選択してもいいかも知れません。
何はともあれ、続けることが大切です。
続けなければ、どのような方法をとっても筋肉の成長は望めません。
限界まで行う方法が筋トレを継続できると考えれば、まずはそれを継続して下さい。
8RM~12RMで行う方が続けられると考えれば、まずはそれを継続して下さい。
そして、継続していく過程で筋肉の反応や状態を観察し、成長が停滞し求める体になっていなければ、強度を上げたり、方法に変更を加えていく必要があるでしょう。
筋肉の反応は、刺激の程度やそれに伴う成長ホルモンなどの応答、あるいは実際の研究結果から導き出された中央値的な数値が8RM~12RMと考えて下さい。
筋肥大においては、15RMでよく反応する人もいれば、6~7RMでよく反応する人もいます。
しかし、年月をかけて自分の筋肉にはどのような方法が最も効果的なのかをいろいろ試して確認するには無理があります。
研究者ならいざ知らず、肉体改造したいトレーニーでそのようなことをしていては、今やっている筋トレが効果的かどうかわからず、もやもやした気持ちが続き、時間だけが過ぎてしまいます。
そこで「この回数でやっていれば筋肉がきちんと反応しますよ」という回数が筋肥大では8回~12回ということなのです。
誰もがこの範囲内で最も効率的、効果的な反応を示すわけではないが、多くがよい反応を示すということです。
また、8RM~12RMでのトレーニングは効率的な筋肥大が促されるだけではありません。
急激な疲労に見舞われるが、限界まで繰り返す方法よりもトレーニングの時間が短くて済みます。
時間効率に優れていることは、人によっては筋トレを継続することのモチベーション維持に役立つことになるでしょう。
このように基準となる回数が提示されることで、目的に応じたトレーニングプログラムの構築をサポートし、やみくもに筋トレするよりも、ずっと高い効果が得られることになるのです。
ダンベル・クランチの効果
これまで自重のみでクランチを行ってきたならば、さらに腹筋を筋肥大させることができ、立体感あるシックスパックを作ることが可能になります。
上記で説明したように深く溝を作ってバキバキに割れた腹筋を作るにはクランチだけでは物足りません。
より高みを目指している人は、ダンベル・クランチなど負荷を加える筋トレ種目も取り入れておきたいところです。
なお、自重によるクランチで目標を達成できたり、満足できればダンベル・クランチを行う必要はないかも知れません。
しかし、同じ種目を続けていくことはマンネリ化を招く場合があります。
マンネリ化すると、筋トレに対するモチベーションの低下につながり、継続していくことに困難が生じてきます。
その場合にダンベル・クランチなど別の種目を一時的にでも取り入れることで変化が生まれ、マンネリ化の脱却につながることが少なくありません。継続には、時として”変化”も重要になるのです。
そのような場合に選択肢の一つとしてダンベル・クランチの方法をレパートリーとしてストックしておくことは、トレーニングライフにおいておおいに役立つことになるでしょう。
ダンベル・クランチだけでも、一般的に見てかっこいい腹筋が作られます。
しかし、ズボンやパンツなどを履いているときに隠れている腹筋下部への刺激においては少々物足りなさがあります。
そのため、下腹部を含めて徹底的に洗練させた腹筋を作りたい場合は、レッグレイズなど腹筋下部に焦点を当てた種目も組み合わせることをおすすめします。
下腹部を徹底的に鍛えることで、人によっては腹筋が8つに割れるエイトパックを実現することも可能になります。
また、体幹トレーニングと合わせて行うことで、筋肉だけでなく、美しい姿勢や立ち居振る舞いなど、かっこよくて動ける体づくりにも役立つことになるでしょう。
目標回数と頻度
- 【回数】8回~12回×3セット
※回数は、所定の回数で限界となるようダンベルの重量を調節します。筋力がアップすれば、それに伴い重量も増していきます。 - 【頻度】1~2日おき
※セット数は、体力アップに応じて5セットまで増やすようにします。