バランスボールを使ってバランス力アップや体幹を強化するためのステップアップトレーニングです。第1ステップ~第4ステップまであり、まずは座れるようになることから始めます。次にバウンドや動きを取り入れて不安定性を高めていきます。最後に筋トレを取り入れて体を鍛えると同時に筋肉の細かい連動性をさらに引き上げます。
ステップアップトレーニングの方法
第1ステップから第4ステップまで難易度を上げていき、バランス力や体幹を強化していきます。
【第1ステップ】脚を浮かしてバランスボールに座れるようになろう
動画で紹介しているバランスボールシッティングは、ボールに座ることでバランス力アップ、体幹周りの強化を目指していきます。詳しい効果は最終章で解説しますが、筋トレ初心者や運動初心者の人にオススメできるトレーニングです。
やってみると分かりますが、バランスを取るのがとても難しいです。(特に両手両足を放す方法)
心落ち着かせ、筋肉に意識を向けて練習してみてましょう。
方法自体は簡単です。
座るだけです。
ただし、両足または片足を床から放して座ります。
下記でも説明しますが、足を付けたままだと姿勢の改善、安定効果は得られても、バランス力や体幹力アップさせていくことはできません。
あえて、不安定な状態を作り出すことでトレーニング効果を引き出していきます。
座る方法には段階があり、手をボールに付けた状態で片脚を放す、両脚を放すなど段階を経て不安定性を高めていきます。
第1ステップではどのような体力要素の人でも取り組めるように、難易度を細分化して5段階に分けています。
できる段階からスタートしてステップアップしていきましょう。
- 【レベル1】
まずはバランスボールに座り、手をボールの横に付けて片脚を浮かします。
これを左右各10秒×1~3セット(以下同)行いボールの感覚を肌で感じていきます。 - 【レベル2】
これが出来るようになったら、手をボールから放して、片脚を浮かします。 - 【レベル3】
次に手をボールに付いて、両脚を床から浮かします。 - 【レベル4】
さらに出来るようになったら、手をボールから放し、かつ両脚を床から浮かします。
このあたりから、精神を統一して、全神経に意識を傾けることが求められます。慣れたら、テレビを見ながらでもできるようになりますが、できれば集中できる環境で行うようにして下さい。 - 【レベル5】
最終段階はダンベルなど両手におもりを持って座ります。
ポイントは腰や背中を丸くしないことです。
骨盤を立てるか、やや後傾気味にして、姿勢を正した状態で行うようにします。
加えて、腹筋を収縮させて体幹を固めておきます。
レベル1~3までは10秒×3セットが無理なくできるようになったら、次のレベルに移行します。
レベル4では、3セット無理なく出来るようになったら、セットの時間を伸ばしていってみましょう。
時間を延長していくほど、トレーニング効果は高まっていきます。
ただし、1セット3分を上限とします。難なく3分出来るようになったら、レベル5に移行し、レベル5も3分を上限としてトレーニングしていきます。
レベル5が3分出来るようになったらバランスボールシッティングは習得したとみなしますが、レベル4まででも構いません。
レベル4、またはレベル5をクリアしたら、次の段階「バウンド」に移行してみましょう。
【第2ステップ】バランスボールに座ってバウンドしてみよう
さて、第1ステップのレベル4、またはレベル5をクリアできたら、第2ステップ(下記動画)に移ります。
バランスボールに座ったままバウンドしてみましょう。さらにバランス力、体幹強化を図っていくことができます。
バウンドすることで、静止状態よりも軸にブレが生じ、難易度、強度共に高くなります。
この場合も、骨盤をニュートラル、またはやや前傾して動作することを徹底して下さい。
- ますは、ウォーミングアップとして床に足を付けた状態でバウンドします。
- 次に手と脚を浮かしてボールに座ります。第1ステップを習得していれば、難なくできます。
- この状態から、少しずつ体を上下させてバウンドしていきます。
バランスを崩したら、すぐにあきらめず立て直すことに意識を払って下さい。 - これを10秒×1~3セット行います
当初は10秒×1~3セットを目標に行いますが、慣れてきたら秒数を増やしていきましょう。
最終的に60秒×3セットが難なくできれば、第2ステップはクリアです。
クリアと言っても止める必要はなく、バウンディングを習慣にして常にレベルを維持、向上させていってもよいでしょう。
どこまでバウンドを続けられるか、チャレンジしてもOKです。
【第3ステップ】バランスボールに座って動いてみよう
第3ステップは、バランスボールムービングです。
その名の通り、ボールに座って動作を加えることでトレーニングしていきます。
動作を加えることで軸が大きく移動するため第2ステップのバウンド以上に不安定な体勢を強いられることになります。
自分で動きを加えるので、どうしてもバランスを取りやすいように動作してしまいがちです。
ここは自分自身に鬼となって、あえてバランスを崩しそうな動きを取り入れてみましょう。
非常に効果的で高いレベルのバランス力と体幹を作ることができるでしょう。
- ボールに座って、手と脚を浮かします。
- この状態から、手や脚を動かし、あえてバランスを崩しやすくします。
神経を集中させ、バランスを崩しそうになったら、すぐに体勢を立て直す意識で行います。
途中で落ちてしまったら、すぐに元に戻るようにします - これを30秒×1~3セット行います
当初は30秒×1~3セットを目標に行いますが、慣れてきたら秒数を増やしていきましょう。
蹴りを入れるとかなり不安定性が増しますので、まずはパンチだけに慣れてから蹴りを入れるようにしてみましょう。
バランス力と体幹強化が目的であれば、バランスボールムービングを継続的にトレーニングしていきましょう。
より複雑な動きを行っていくことで難易度と強度を高めていくことができます。
次の第4ステップでは、第3ステップに加え、実際の筋トレを通じて、バランス力と体幹を養っていきます。
特にスポーツなどの細かい動きが求められる場合に効果を発揮します。
【第4ステップ】バランスボールでトレーニングしてみよう
一般にバランスボールを使ってバランス力、体幹力をアップさせることが目的なら、第3ステップをしっかりと継続することで可能です。
ここでは、より洗練された肉体と神経系を養うことを目的とし、同時に腹筋を強化するバランスボールトレーニングを行っていきます。
特にスポーツをしている人は、ぜひチャレンジしてみて下さい。
バランスボールの上でシットアップを行うのですが、あえてバランスを崩しやすくするため足の下にバランスディスクを置いて行います。
バランスディスクを置いて行うのと、置かないで行うのとでは、難易度に大きく開きがあります。
動画で紹介しているように、バランスディスクを置いて行うとかなり難しいトレーニングになります。
バランスディスクを置かずに行うパターンでは、第3ステップまでできるようになっていれば、そんなに難しくないでしょう。
まずは、バランスディスクを置かずに行い、慣れてきり、出来そうだったらディスクを置いて行ってみましょう。
- ボールに座り、ディスクの上に足を乗せます。
- ボールに沿うようにして仰向けになり、手はバンザイします。
- この姿勢から、腹筋に力を込めると同時に脚をディスクに押し付けて、体を起こします。腕は起き上がりながら前に持っていきます。
- 再び、仰向けになり、同様の動作を繰り返します。
- これを10回×1~3セット行います
非常に難易度が高い種目なので、起き上がる時にバランスディスクに乗せている足が大きくぐらつくと思います。
そのような中でも継続してトレーニングしていくことで神経系が訓練され、ぐらつきも小さくなってくるでしょう。
動けるかっこいい体を目指してトレーニングを進めていきましょう。
バランスボールに座ることで得られる効果
ボールに慣れることから徐々にステップを踏んでいくことで、その過程における様々な効果を得たり、バランスボールトレーニングの幅を広げていくことができるようになります。
バランスボールは球体なので、前後左右に転がることで重心を定めるのが難しく、乗って何かをするためには比較的高い技術を要すると言えます。
しかし、出来ることから手順を踏んでいけば、バランスボール使いになることは決して不可能なことではありません。
と言うよりも、誰でもできるようになります。
自分には無理だと途中であきらめて挫折するのは、初めから難しいことを行ってしまうのが原因です。
まずは、最初の動画で紹介しているバランスボールに乗ることからはじめ、少しずつバランスボールに慣れ、同時にバランス力アップ、体幹強化を図っていくようにしてみましょう。
バランス力と体幹力
正直、両手両足を放すパターンは最初のうち数秒間でさえ微動だにせず座るのも難しいでしょう。
両腕両脚を使って、バランスを取ればいくらかは乗れるかもしれませんが、それではバランス力を高めることは難しくなります。
バランス力は、いかに少ない動きで体の軸を保てるかが重要であり、体幹もそれに合わせて強化させていく必要があるのです。
(最初は大きなブレやバランスの崩れがあっても、それを小さくしていく努力がトレーニング成果を高めていきます)
日常を例にすると、電車の中で吊り革を持たずに立っていると、時に前後左右に揺らされることがあります。
そのとき、腕を横に広げたり、脚を前後左右に移動させてバランスを取ることはよくあることです。
しかし、これではバランス力がある、体幹が強いとは言えないのです。当たり前に行うことだからです。
では、バランス力や体幹が強いと言えるのはどのような状態のときでしょうか。
それは、電車が揺れても直立して一歩も動かずバランスを取ることができるような状態のことです。
もちろん、1mmも動かずにバランスを取ることはできません。
バランスを保つというのは、筋肉と神経系の連動が必要で、その連動には多少なりとも動きが必要になってくるからです。
そのため、多少の揺れは合っても軸を保つことができ、よろめかないこと。これがバランス力が高い、あるいは体幹が強いと言えるのにふさわしい状態であると言えます。自信を持ってバランス力や体幹の強さを誇ることもできるでしょう。
スポーツパフォーマンスの向上
スポーツにおいては、バランス力と体幹の強さは弱点の強化と技術を引き上げるための要素として密接にかかわっています。
サッカー、ラグビー、バスケットボールなどのコンタクトスポーツでは、ぶつかってこられた時、あるいはぶつかっていってバランスを崩し、よろめくようであれば十分なパフォーマンスを発揮することができません。
そのために、体幹を強化して当たり負けしない体を作ると同時に、神経系の連動性を高めバランスを保持する力を身に付ける必要があるのです。
このことは、電車でよろめかない体を作る上でも同様です。
体幹が強ければ踏ん張りが利き、バランス力を補ったり、強化することに繋がるのです。
バランス力と体幹の強さは、相互に結び付き、補うこともあれば、相乗効果を生むこともある身体要素です。
どちらか一歩を強化することでも、パフォーマンスの底上げは図ることができますが、同時に実現できれば、その効果は倍加することになります。
ぜひ、バランスボールを使ったトレーニングでバランス力も体幹の強さも手に入れて下さい。
バランスボールの不安定性を活用して効果を引き出す
以上のことを踏まえると、バランスボールに座れるようになることは、日常動作やスポーツおけるパフォーマンスアップを目指す上で、段階的強化を図るためのスタート地点であると言えます。
バランスボールに座ることで普段得られない重心の不安定性が余儀なくされ、そのことによってバランスを取ろうと筋肉は微細な運動を繰り返します。
不安定な状態に繰り返し耐えることで、筋肉の運動幅を小さくしていき、バランス力が磨かれていきます。
同時に体幹を固めないことには、バランスが大きく崩れてしまいますので、バランスボールに乗っている最中は体幹を強く固めておく必要があります。
それにより、体幹を保持する動作が行われ、体幹の強化を図っていくことができます。
鍛練を積んでいくことで体の振幅が少なくなり、バランス力も引き上げられていくことになります。
このように、バランス力と体幹の強さはどちらか一方に目を向けるのではなく、相互に結び付いていることを十分に意識して訓練していくことが求められると言えるでしょう。
また、筋肉に対する情報伝達は、運動神経によって行われており、その神経の伝達が遅くては筋肉の細かい動きがうまくできません。
そのため、僅かな動きにも意識を払って、バランスを崩しそうになったらバランスを立て直すことも大切です。
ちょっとバランスを崩したくらいで、あきらめないことです。
崩れたら、すぐさま頭と筋肉を使って立て直す。それにより、神経の連動速度が養われていきます。
このような効果や機能の向上が実現できるのが、バランスボールの不安定性を活用したトレーニングです。
単純に思えるトレーニングほど、様々な意味や効果が内在されています。
その一つがバランスボールに座れるようになることです。
スポーツをしている人もしてない人も、バランスボールでトレーニングすることは大きなメリットをもたらします。
まずは、バランスボールに座ってみて下さい。
姿勢の改善、安定
動きを安定させる効果のほか、姿勢の改善、安定にも効果があります。
足を浮かしてバランスボール座ると分かりますが、腰が丸くなり骨盤が前傾した状態でバランスを取るのは難しく、ニュートラル(骨盤を立てる)またはやや後傾した状態でバランスボールに座ることで体の細かい動きに俊敏に応答しなければいけません。
このように、骨盤を立てたり、やや後傾した姿勢で座ることにより、背筋が伸び、また背中の筋肉が刺激され、結果として姿勢の改善や安定にも繋がってくることにもなります。
姿勢を良くするためにもバランスボールに座れるようになることは有効なのです。
姿勢の改善、安定の場合は、足を床についた状態で座ることでも効果を得ることができます。
ただ、短時間では効果が出にくいので、ダイニングの椅子をボールに変えて、食事中に正しい姿勢作りを行ったり、徹底する場合は仕事の椅子をバランスボールにするとより効果は出やすいでしょう。
くれぐれも、腰が丸くなった状態で座らないようにして下さい。
骨盤を立てて正しい姿勢を意識して座ります。続けていけば、少しずつ体が適応して美しい姿勢作りに役立つことになるでしょう。
バランスボールストレッチも一緒に行うと、ストレッチ効果と同時にボールの使い方や感覚を身に付けやすくなります。
バランスボールを身近に置くことでトレーニングにも反映されるので、ぜひバランスボールに接する機会を少しでもいいので増やしてみることをおすすめします。