上腕二頭筋(力こぶ)を鍛えるための種目やメニューにはいろいろな種類・方法があります。その中でもダンベルを使った方法は自由度が高いため、上腕二頭筋を鍛える筋トレとして多くの人が取り入れています。では、ダンベルトレーニングにはどのようなメリットがあるのか、どのような点に注意してトレーニングすればいいのかお話ししたいと思います。 



自由度が高いダンベルトレーニング

自宅で上腕二頭筋を鍛えるために色々な筋トレ道具がありますが、その中でも長いバーベルは自宅の部屋だと使いにくかったりします。

そのような場合に多くの方が使っているのがダンベルです。狭い所でも動かすことが簡単にできますし、バリエーションを組みやすいというのもダンベルトレーニングのメリットです。

上腕二頭筋を鍛える場合の通常の使い方としては、ダンベルを両手に持った状態から肘を曲げてカール運動を行う方法があります。両手で行いますので、例えば同じように上げているつもりが左右で上がり方に違いがあるような場合は比較的気が付きやすいです。



そのような場合は、右が強いのか左が強いのか、アンバランスがあるのかどうかを判断して、弱い方に合わせたトレーニングをするというのが基本になります。

例えば、(正確な動作を前提として)右が15回、左が12回だった場合は、右は左の12回に合わせてたトレーニングを行うようにします。

ですので、できれば鏡の前に立ちトレーニングを行い、左右が同じスピードで上がってきているのか、左右とも正しいフォームで行えているかなどを観察してみて下さい。

これが最もスタンダードなやり方になります。

カール種目のいろいろな方法

自由度が利くダンベルだからこそできる上腕二頭筋を鍛える方法には色々なやり方があります。

オルタネイト・ダンベルカール

ダンベルのメリットは左右を別々に動かせることですので、オルタネイトカールということで交互に動かすトレーニングもよく行われます。

特に自分の目線が強化している上腕二頭筋に届いた時に意識しやすいといったメリットがありますので、自分の鍛えたい部分をしっかりと見ながら筋トレを行うというのは非常に理にかなっているといえます。

上腕二頭筋の収縮を意識した種目

一方、少しきつくなりますが、持ち上げた状態、つまり上腕二頭筋を短縮させた状態からスタートし、片方は持ち上げたまま、片方だけ動かしていく方法があります。持ち上げているときは常に刺激が入っている状態となります。これだと休んでいるシーンが無く、ずっと上腕二頭筋はトレーニングを強要されていることになります。

このトレーニングは短時間で上腕二頭筋を追い込むうえでは有効なトレーニングになります。

ハンマーカール

あと、ぜひお勧めしたいのはハンマーカールです。

通常は手のひらが前を向く形で行う方法が基本ですが、ハンマーカールは金づち(ハンマー)を叩くのと同じような感じで動作することで別の角度から集中的に上腕二頭筋を強化することができます。

片手ずつ行っても構いませんし、交互に行うこともできます。もちろん、両方同時に行う方法でもよいでしょう。肘関節の動作自体は同じなので通常のスタンダードグリップで行うのと同じバリエーションを行うことができます。

スピネイテッドカール

その他、スピネーションと言って手首を回外(手首を外側にひねる動き)させながら行う筋トレ種目もあります。(スピネイテッドカール)

例えば、空手を行っている人が回し受けを強化したいといった場合はグリップをひねるスピネーションが有効であるといえます。

前腕の部分には橈骨と尺骨という2本の骨があることから、回内(手首を内にひねる動き)、回外という動きが楽にできるわけですが、重いものを持って回転運動を行うというのは結構負担がかかります。

そのため、トレーニングをあまり積んでいないような方が最初からそのようなやり方をすると、もしかすると手首や肘関節を痛めることになるかも知れません。

まずはシンプルな方法で行うことが大切

まず、何のために筋トレをしているのかということを考えたときに上腕二頭筋の強化ということであれば、当然ですが上腕二頭筋に力が入るようにする。単純に肘関節を曲げ伸ばしするシンプルな方法を行うのが最も確実です。

上腕二頭筋が短縮しているときに負荷がかかっているわけですから、オーソドックスな種目を取り入れ集中的に行う方が余計な前腕の動きを加えるよりも安全に上腕二頭筋を追い込むことができます。

ある程度強くなるまでは、グリップはスタンダードでもハンマーグリップでも構わないので単純に肘関節の曲げ伸ばしをするということだけを頭に入れて正確にトレーニングされることをおすすめします。

カール種目を行っているときに上腕二頭筋が疲れ果ててしまって我慢できずに完全に脱力してしまうような状態になってしまったら、これはオーバーワークになります。

ですので、そこまでやってしまわないように注意をして下さい。

あくまでも筋肉を強化することが目的なので、関節に余計な負担をかけず、その中でギリギリ追い込むということが重要になります。初心者や経験が浅い人は上がらなくなったら終わることを意識し、無理に反動を使って上げたりしないようにします。

もちろん、上級者がさらに筋肥大を促したい場合、あるいは競技スポーツにおいてパフォーマンスを高めたいといった場合は、様々なテクニックを駆使してトレーニングするケースがありますが、ここでは安全かつ効果的筋トレを進めることを前提としています。

あとは持ち上げる角度の問題ですが、肘関節そのものは単純に伸びるか曲がるかしかないわけです。

肩を使うことによって上げる角度を変えることは可能になりますが、上腕二頭筋そのものは機能としては曲げることしかできませんので、バリエーションとしてはグリップの幅を持ち替えるしか方法がありません。

ですので実際にやってみて自分の上腕二頭筋に一番力が入っているなと感じる角度、手の幅を探して、場合によってはストレートバーで行う、あるいはZEバーを使う、ダンベルを使う。そして、両手で行ったり、片手で行ったりする。

こういったものを組み合わせて自分に一番合ったやり方というものを考えていくのがトレーニングを成功させるための秘訣になってくると思います。

ぜひ、いくつか試してみて行うことをお勧めしたいと思います。

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筋トレTV 出演・動画監修 森部昌広 先生
九州共立大学 経済学部准教授・経済経営学科スポーツビジネスコース主任・サッカー部部長、一般社団法人全日本コンディショニングコーチ協会代表理事、一般社団法人日本メンタルトレーナー協会理事、九州大学非常勤講師(健康・スポーツ科学)、財団法人福岡県スポーツ振興公社スポーツアドバイザー、株式会社GET専務取締役、アイ・エム・ビー株式会社取締役、森部塾塾長