上腕三頭筋、いわゆる二の腕の鍛え方には様々な方法があります。その中でもライイング・フレンチプレスは効果はもちろんですが、肩関節の角度によって負荷を調節できるため重りを追加で用意できないなど制限がある場合にも有効に取り入れることができます。それでは、基本から負荷の上げ方まで学んでいきましょう。 



寝た姿勢で二の腕を鍛える「ライイング・フレンチプレス」

寝た姿勢で行うフレンチプレスの方法を解説します。ライイング・フレンチプレスと言います。

床の上、もしくはトレーニングベンチなど安定したものの上で行うようにして下さい。

ベンチの上に寝てEZバー、もしくはバーベルを天井に向けて上げます。そして、できるだけ上腕三頭筋に正確に刺激を加えたいので、少し頭上方向に倒して上腕三頭筋の緊張感が増したところで止めて下さい。この状態がスタートポジションになります。

この姿勢から、肘を頭上報告に向けて曲げていきます。肘関節が90度に近づいたら肘を伸ばして元の姿勢に戻ります。

持ち上げても腕は完全に垂直のポジションではありませんので(上記のスタートポジション)この時点でも上腕三頭筋は休んでいません(筋肉の緊張が続いている状態)。ここがポイントになります。完全に垂直に立てると休む時間を与えてしまいますので、楽をしないように筋トレ中はずっと上腕三頭筋が緊張した状態を作っていきます。 

鍛えたい部位を集中的に刺激する

ライイング・フレンチプレスのポイントとしては、腕を伸ばしたときに休んでしまわないように腕全体が床に対して垂直よりも少し頭上方向に倒れたところでトレーニングが終わるというのがポイントになります。

そこから肘を曲げて90度の位置で動作を切り返してまた元のポジションに戻ります。完全に垂直になってしまうと関節で支えてしまうので上腕三頭筋が少しりラックした状態になるわけですね。これは効率的、効果的に進めようとするならトレーニングとしてはもったいないことです。

仮に10回反復するとした場合に1回1回フィニッシュのポイントで休んでする10回と全く休まずに緊張したままの状態のまま10回追い込むのとでは刺激の大きさが全然違います。

何のためにライイング・フレンチプレスをやっているのかというと上腕三頭筋を強化するためにやっているわけですから、同じ反復回数をやるのであればできるだけ正確に鍛えたい部位にターゲットを絞ってトレーニングの刺激を送り込んで上げた方がいいわけです。

ですから、きつくはありますが頭上方向に少し倒した状態で行うようにして下さい。

ライイング・フレンチプレスで負荷を上げる方法

上記で説明した方法は、非常にシンプルなやり方になりますが、だんだん強くなって負荷が足りない状態になったらどうすればいいのか。

重りを追加することができればそれに越したことはありませんが、重りの重さが変えられない状態にあったとします。

例えば、注文しているプレートがまだ届いていない、鉄アレイなどのような重量が固定のものしか持っていない。でも現時点で自分にとって今の重さでは楽になってしまっているというような場合、どうやってさらに上腕三頭筋を強化していけばいいのかという問題が出てきます。

この場合、複数の種目を組み合わせるやり方もありますし、あるいはストレッチするポジション(動作角度)を少し変える方法もあります。

今回はライイング・フレンチプレスの説明なので、ストレッチポジションを変えて負荷を上げていくやり方を解説したいと思います。

上記では少し頭上方向に倒したところから動作するやり方でしたが、今度は可能なところまで頭上方向に倒します(肘が顔に近づくポジション)。ここがスタートポジションです。

その姿勢から肘の曲げ伸ばしを行います。

このポジションで行うと頭上の方に大きく倒していますので、その位置で支えるだけですでに上腕三頭筋が非常に強く収縮していることになります。

ここから肘を曲げていきますので、曲げる角度を大きくするほど楽になります。いったん楽にした状態(肘を曲げ切った状態)から完全に収縮させたとき(肘を伸ばしたとき)が筋収縮は最も大きくなります。最初に解説した方法とは逆になるわけです。

まずは軽い負荷から始めて徐々に上げていく

この種目を成立させるためには肩関節周りの柔軟性、そしてスタートポジションで止めるための筋力、例えば大胸筋や広背筋なども強くなければいけません。

そのため、最初は軽い重さからスタートして徐々に強くしていくことが求められます。その中で継続して取り組んでいる内に確実に安全にできるようになりますので、肘の位置(腕の角度)をどこに持っていくのかということでバリエーションとして取り組まれることをおすすめします。

最初は寝た状態で一番楽なところからスタートします(腕を少し頭上方向に傾ける方法)。

そこから徐々に頭上方向への傾きを大きくしていくことによって負荷が大きくなっていくようにしていく。

そうすると、いたずらに扱えないような重さを扱って危険を助長するこなく、ポジションを変えることによって非常に負荷を高くすることができます。

このようなやり方を覚えておくとトレーニングのバリエーションを安全に広げることができますので、ぜひ上腕三頭筋を太くしたい、引き締めたい人は取り組まれて下さい。

筋トレTV 出演・動画監修 森部昌広 先生
九州共立大学 経済学部准教授・経済経営学科スポーツビジネスコース主任・サッカー部部長、一般社団法人全日本コンディショニングコーチ協会代表理事、一般社団法人日本メンタルトレーナー協会理事、九州大学非常勤講師(健康・スポーツ科学)、財団法人福岡県スポーツ振興公社スポーツアドバイザー、株式会社GET専務取締役、アイ・エム・ビー株式会社取締役、森部塾塾長