椎間板ヘルニアの緩和に効果的なストレッチです。椎間板ヘルニアが発生すると神経を刺激し、背中にズキズキやジンジンした痛みを感じます。典型的な椎間板ヘルニアは、髄核の後外側への突出とされており、この場合の運動療法においては腰椎の伸展(腰を反る動き)が勧められ、一般的に腰を丸く曲げるような屈曲動作(例:太ももの裏を伸ばす前屈)は避けることが求められています。
対象
椎間板ヘルニアに悩まされている方
解説
椎間板は、背骨に加わる衝撃を和らげる役目(クッション)があり、椎体と椎体の間にあります。
椎間板ヘルニアの原因には、中腰でものを持ち上げたとき・急激に腰をひねったとき・椎間板や骨の老化・姿勢の悪さなどが挙げられます。
痛みの原因になるのは、椎間板を構成している髄核というゼラチン状の組織とコラーゲンを含んでいる線維輪の一部が圧迫により脊髄側に突出し、神経をに圧迫することで痛みやしびれが生じるようになるのです。
そのためスポーツや筋トレにも影響が出て、意識、無意識に関わらず腰をかばい俊敏な動作や正しいフォームでの実施が困難になる場合があります。
少しでも緩和できるようまずはストレッチを試してみてください。
腰倒しストレッチ
足の裏を合わせて座り、股関節を起点に上体を倒します。
この時、腰(腰椎)を丸めて倒すのではなく、背中は真っ直ぐか下背部がやや反った状態を保ち、股関節を起点に倒すことを順守して下さい。
つまり腰椎は屈曲させず、真っ直ぐかやや反った状態を保ち、股関節を屈曲させることになります。
胸を張って倒すことで、股関節から倒しやすくなります。
可能な範囲で倒したら、その姿勢を15~20秒間保持します。
ひざ立てストレッチ
脚を前後させて、後ろの脚は膝を立てます。そのまま後ろ足の甲を持って、お尻の方へ引き付けます。
この体勢を15秒間保持し、左右実施します。
上体は前に倒さず、胸を張って、腰を無理のない範囲でやや反るようにするのがポイントです。
保持している間、太ももの前側(大腿四頭筋)が伸びていることが意識できれば、胸の張りと合わせて、腰の反りも自然なものとなります。
柔軟性が低い場合などは、足をつかみにくくバランスがとりにくいかも知れません。
その場合は、足を引き付けるポジションまでは壁などに手をついて行うようにしてみましょう。
脚曲げストレッチ
脚を広げて正座し、脚の間にお尻を入れます。
ここから、ゆっくりと上体をうしろに倒し、背中を床につけます。
正しい姿勢であれば、腰に自然なアーチができます。
この姿勢を15~20秒間保持します。
痛みや柔軟性の問題で倒しにくい方は、倒せる範囲で大丈夫です。無理に倒さないよう注意して下さい。
動画では説明してませんでしたが、起き上がるときは膝を曲げたままの体勢で上体を起こさずに、脚を伸ばして横に回転し、一度うつ伏せになってから立ち上がるのが安全です。
椎間板ヘルニア緩和ストレッチの内容
- 腰倒しストレッチ・・・15~20秒キープ×2~3セット
- ひざ立てストレッチ・・・左右各15秒キープ
- 脚曲げストレッチ・・・15~20秒キープ