太もも内側の筋肉・内転筋群の筋膜をリリースする方法です。うつ伏せの姿勢で股関節を90度程度に曲げて、横に置いたストレッチポールの上に内ももを乗せます。この姿勢から体を左右に移動させながら圧を加えていきます。
対象
内転筋群(太もも内側)のコリや固さ、つっぱりを感じている方
リリース部位
内転筋群(太もも内側)
圧をかける時間
60秒~90秒(程度によって3分~5分まで延長)
手法解説
ストレッチポールを体の横に置き、ポールと平行になるようにうつ伏せになります。上半身は、肘を立てた状態にします。
この状態から、片脚を横に開き(股関節が90度になる形)、内ももをポールの上に乗せます。この体勢がスタートポジションとなります。
ポールに乗せたら、内ももに沿って体を左右に動かします。
コリや張りなどを感じる箇所があれば、その部分に対しては静止した状態で入念に圧をかけるようにします。
片脚が終わったら、もう一方の脚も行います。
動かせる範囲が狭いと感じた場合は、ポール側の手を伸ばして、ポールの外側上方に置くと移動範囲が広がります。
圧が足りない場合は、太ももを手で押さえることで圧の微調整できます。
※ストレッチポールは、事前に用意しておきましょう。
筋膜リリース以外の効果
脚を横に広げて行うため、ストレッチ効果も得られます。
あまり柔軟性が高くない人にとっては、特に股関節の柔軟性アップに有効で、柔軟性が増すことで歩行がスムーズになったり、筋トレで適切な可動域を保つことに繋がります。
筋トレでは、ワイドスクワットなど股関節を広げるトレーニングでその有効性が顕著となります。
怪我の防止と同時に、しっかりと腰を下ろすことができるようになることで筋繊維が十分に動員され、筋トレ効果を高めることに繋がるでしょう。
このことから、筋膜リリースとしてではなく、ストレッチ+マッサージを目的として日頃から取り入れることは有効な取り組みになるでしょう。
もちろん、血流も促進されますので、冷えの予防改善、老廃物の除去、疲労の回復に効果的です。
内移転筋群に限らず、太もも、ふくらはぎ、足の裏は疲れがたまりやすい部位です。
日頃からのケアが、いろいろな不調や機能の改善に繋がりますので、ぜひ習慣にしてもらえればと思います。
自分一人でできる「セルフ筋膜リリース」の方法動画一覧
- 筋膜リリース(筋膜はがし)とは/セルフ筋膜リリース実践講座(1)
筋膜リリースは、癒着・収縮した筋膜をはがして元に戻すことから「筋膜はがし」と言われることもあります。まずは基本を学んでスムーズな実践へとつなげましょう。 - 『足の裏』編/セルフ筋膜リリース実践講座(2)
足裏の筋膜リリースは、テニスボールを踏むだけなので手軽に行うことができます。足つぼ効果で冷え性改善にも効果的です。1日1回を習慣にするとよいでしょう。 - 『ふくらはぎ』編/セルフ筋膜リリース実践講座(3)
ふくらはぎは心臓に血液を送るポンプの役目もあります。リリースに関わらず、ほぐすだけでも血行が良くなりますので、習慣にして健康にも役立てましょう。 - 『太もも裏』編(ストレッチポール)/セルフ筋膜リリース実践講座(4)
ストレッチポールの上にハムストリングスを乗せて圧を加えていきます。違和感を感じたら、その部分を入念に圧をかけるようにしてみましょう。 - 『太もも前』編(ストレッチポール)/セルフ筋膜リリース実践講座(5)
うつ伏せの姿勢で太ももの前側に圧を加えていきます。痛みを感じやすい部分なので、まずはゆっくり動作して確認しながら行ってみましょう。 - 【閲覧中】『太もも内側(内転筋)』編(ストレッチポール)/セルフ筋膜リリース実践講座(6)
脚を横に広げ内ももをストレッチポールの上に乗せて圧を加えていきます。リラックスして心地よさを感じながら行ってみましょう。 - 『太もも外側』編(ストレッチポール)/セルフ筋膜リリース実践講座(7)
太ももの外側は刺激が入りやすく、無理に圧を加えると反射的に筋収縮が起きてうまく圧を加えられません。加減を調節しながらリリースを施すようにしましょう。 - 『お尻(大殿筋)』編(ストレッチポール)/セルフ筋膜リリース実践講座(8)
お尻の下にストレッチポールやテニスボールを置き、体重を乗せて圧を加えます。姿勢をコントロールして圧を調節しながら、お尻全体をまんべんなくほぐすようにします。 - 『背中(広背筋)』編(ストレッチポール)/セルフ筋膜リリース実践講座(9)
背中側に共通することですが、普段あまり意識することがないため不調に気づきにくい部分です。定期的にメンテナンスをして癒着や収縮の予防・解消に繋げましょう。 - 『肩甲骨周り』編(テニスボール)/セルフ筋膜リリース実践講座(10)
肩甲骨周りのリリースは、圧を加えるポイントに少々コツが必要ですが、普段触れることがない部分をほぐすことができ動作の改善に繋がることが少なくありません。 - 『小胸筋』編(テニスボール)/セルフ筋膜リリース実践講座(11)
小胸筋付近が凝り固まっていると猫背の一因になっている場合があります。癒着の予防・リリースと同時に日頃から凝りをほぐしておきましょう。