背中の筋肉・広背筋の筋膜をリリースする方法です。片肘をついて広背筋(胸のラインから手を逆側の背中に回した周辺)の下にストレッチポールを置きます。この姿勢から、上半身を左右に倒したり、前後に移動しながら圧を加えていきます。
対象
広背筋(背中)のコリや固さ、つっぱりを感じている方
リリース部位
広背筋(背中)
圧をかける時間
60秒~90秒(程度によって3分~5分まで延長)
手法解説
ストレッチポールを横向きに置き、体を横に向けて片肘を付いた体勢を取ります。
ポールに広背筋が触れる位置(脇の下あたりから胴体の真ん中あたり)に体をセットし、もう一方の腕は、軽く頭に沿えるようにします。
この姿勢から体を前後に傾け、横方向に対して広背筋にまんべんなく圧を加えていきます。
横方向に続き、今度はポイントを上下にずらしながら縦方向に圧を加えていきます。
コリや張りなどを感じる箇所があれば、その部分に対しては静止した状態で入念に圧をかけるようにします。
片方の広背筋が終わったら、向きを替えて、もう一方の広背筋も行います。
※ストレッチポールは、事前に用意しておきましょう。
筋膜リリース以外の効果
広背筋は引く動作で働く筋肉で普段はあまり活発に使う筋肉ではありません。
日常において腕の動作などをサポートする形で補助的に使うケースは数多くあるのですが、メインに使うことは少ない筋肉なのです。
あえて積極的に使う場面(強く制激する場面)を挙げるとすれば、壁をよじ登る、綱を引く、重いモノを体の近くに寄せる。
このような場面は日常では少ないと思います。
このようなこともあり、筋トレや仕事で積極的に使ってなければ、筋肉の減少が大きくなってくる30代以降は広背筋が必然的に弱く小さくなっていきます。
その結果、年齢を重ねると背中が丸くなってきたり、猫背の一因になる場合があるのです。
そのため、健康や機能を保つためには、広背筋の筋力を保つ努力も必要になると言えるでしょう。
同時にあまり積極的に使わないことから、意外と疲れが溜まりやすい部位でもあります。
かといって手が届きにくいため、揉んだり、さすったりが手軽にできず、なかなかほぐすことができません。
そこで活用できるのが、手が届かないところもマッサージできるストレッチポールです。
もちろん、うまくマッサージができる道具であればストレッチポールでなくてもOKです。
また、パートナーやマッサージ店でほぐしてもらう手もあります。
このようにあまりケアができない広背筋。
筋膜リリースだけでなく、日頃の疲労回復、コリの解消として習慣にしてみてはいかがでしょうか。
もちろん、筋トレで広背筋を鍛えておくことも、これからの人生にプラスになることでしょう。
自分一人でできる「セルフ筋膜リリース」の方法動画一覧
- 筋膜リリース(筋膜はがし)とは/セルフ筋膜リリース実践講座(1)
筋膜リリースは、癒着・収縮した筋膜をはがして元に戻すことから「筋膜はがし」と言われることもあります。まずは基本を学んでスムーズな実践へとつなげましょう。 - 『足の裏』編/セルフ筋膜リリース実践講座(2)
足裏の筋膜リリースは、テニスボールを踏むだけなので手軽に行うことができます。足つぼ効果で冷え性改善にも効果的です。1日1回を習慣にするとよいでしょう。 - 『ふくらはぎ』編/セルフ筋膜リリース実践講座(3)
ふくらはぎは心臓に血液を送るポンプの役目もあります。リリースに関わらず、ほぐすだけでも血行が良くなりますので、習慣にして健康にも役立てましょう。 - 『太もも裏』編(ストレッチポール)/セルフ筋膜リリース実践講座(4)
ストレッチポールの上にハムストリングスを乗せて圧を加えていきます。違和感を感じたら、その部分を入念に圧をかけるようにしてみましょう。 - 『太もも前』編(ストレッチポール)/セルフ筋膜リリース実践講座(5)
うつ伏せの姿勢で太ももの前側に圧を加えていきます。痛みを感じやすい部分なので、まずはゆっくり動作して確認しながら行ってみましょう。 - 『太もも内側(内転筋)』編(ストレッチポール)/セルフ筋膜リリース実践講座(6)
脚を横に広げ内ももをストレッチポールの上に乗せて圧を加えていきます。リラックスして心地よさを感じながら行ってみましょう。 - 『太もも外側』編(ストレッチポール)/セルフ筋膜リリース実践講座(7)
太ももの外側は刺激が入りやすく、無理に圧を加えると反射的に筋収縮が起きてうまく圧を加えられません。加減を調節しながらリリースを施すようにしましょう。 - 『お尻(大殿筋)』編(ストレッチポール)/セルフ筋膜リリース実践講座(8)
お尻の下にストレッチポールやテニスボールを置き、体重を乗せて圧を加えます。姿勢をコントロールして圧を調節しながら、お尻全体をまんべんなくほぐすようにします。 - 【閲覧中】『背中(広背筋)』編(ストレッチポール)/セルフ筋膜リリース実践講座(9)
背中側に共通することですが、普段あまり意識することがないため不調に気づきにくい部分です。定期的にメンテナンスをして癒着や収縮の予防・解消に繋げましょう。 - 『肩甲骨周り』編(テニスボール)/セルフ筋膜リリース実践講座(10)
肩甲骨周りのリリースは、圧を加えるポイントに少々コツが必要ですが、普段触れることがない部分をほぐすことができ動作の改善に繋がることが少なくありません。 - 『小胸筋』編(テニスボール)/セルフ筋膜リリース実践講座(11)
小胸筋付近が凝り固まっていると猫背の一因になっている場合があります。癒着の予防・リリースと同時に日頃から凝りをほぐしておきましょう。