レッグレイズをやっているのになかなか効果が出ない・・・、下腹がへこまない・・・、脚に効いているように感じる・・・といった声をよく聞きます。そこで、ポイントを抑えることで下腹部に対して劇的に負荷を増大させ、効果を引き上げる方法をご紹介します。ぜひ、実践してみて下さい。 



ちょっとした工夫が効果を引き上げる

引き締まったウエストを手に入れるために多くの方が腹部に対してのアプローチをかけています。クランチ、シットアップ、レッグレイズなど、いろいろな筋トレを工夫してやっている人がたくさんいらっしゃいます。

そのような方にはすでに理想的な体を作ることができた人もたくさんいますが、まじめに取り組んで切るのになかなか効果が出ないといった方も実際には多くいらっしゃいます。

その中で特に質問が多いのがお腹の下、下腹部だけがどうしてもうまくへこまない、下腹に効かせるためにはどうしたらいいのだろうと質問される方が多くいます。

そこで、今回は下腹部にしっかりと効かせ、効果を上げるための方法をご紹介したいと思います。


これまでにクランチやシットアップなどの上半身を持ち上げるような筋トレ、逆に下半身を持ち上げるレッグレイズやヒップレイズなどの筋トレを行った方がいると思います。

単純に考えると、上半身を持ち上げる場合は筋肉が縮み始めるのが“みぞおち”あたりからになりますので、どうしてもお腹の上の部分に効果が出やすいと言えます。

逆にお尻を持ち上げるような動作(ヒップレイズ・ヒップカール)や脚を持ち上げるような動作(、レッグレイズ)は、下半身の方から筋肉が縮み始めますので下腹部を意識しやすくなります。

レッグレイズで効果が出ないなら、骨盤の動きを意識する

なかなか効果が出ないというような方は次の点に注意してもらえればと思います。

ポイントは骨盤が動きです。

見た目には脚が動いている、お尻が動いているので効果があるように感じますが、十分な効果を引き出す動きにはなっていないケースが考えられます。

では、レッグレイズで十分な効果を得るために、どのような点に気を付ければいいのか。

レッグレイズは、仰向けになってトレーニングを行いますが何も考えてないと腰が浮いた状態でトレーニングすることになります。

このような状態だと脚を浮かしていくときに腰に負担がかかってしまいますから、下腹部に効く前に腰が痛くなってしまいます。

そこで、第一段階としては腰の隙間を無くすために、仰向けになったらお腹に力を込めて腰を床に押し付けるようにします。そうすることで骨盤が固定され、腰への負担を軽減することができます。

床に押し付けることが難しい場合は、少しきつくはなりますが上半身を持ち上げた状態からスタートします。上半身を持ち上げることで意識せずとも腰を床に押し付けることができます。

それができたら、腰を押し付けた状態のまま脚を上げていきます。

ただし、単純に脚だけを上げるイメージで動作した場合は、腰椎および骨盤と大腿骨を繋ぐ筋肉「腸腰筋」を主に使って動作していますので、下腹部への効き方はもの足りないものになってしまいます。つまり、下腹部への効果は限定的であるということです。

下腹部への効果を最大限引き出すには、脚を上げていき上げ切る直前でお尻を浮かすようにすることです。

そうすることで骨盤に動きが出て腹直筋の下部を強く収縮させることができます。これでレッグレイズの効果を十分に引き出すことができるようになります。

下腹をへこましたいけど、なかなか効果が出ないといった方は、脚を上げるだけでなく、骨盤も動かす。このことを意識してみて下さい。

骨盤周りの柔軟性が不足している場合

ただ、骨盤周りの柔軟性が不足している方の場合は、お尻を浮かして骨盤を稼働させることがうまくできません。多いのは無理にお尻を浮かそうとして、勢いで足を頭の方まで持っていくような動作です。

こうなると反動で動作しているため負荷が抜けてしまい、下腹部にうまく効かせることができません。

脚を上げる動作により腸腰筋のトレーニングにはなっていますが、骨盤が動かず下腹部への負荷が足りないということで効果が出ない状態になってしまいます。

そこで柔軟性が足りなくて骨盤がよく動かないという方の場合の対処法として次のような方法があります。

まずは、膝を曲げた状態で太ももを立てます。

そして、膝あたりに手を置き、つっかえ棒のように固定します。そんなに強く抑える必要はありませんが、太ももが頭の方へ倒れてこないくらいの負荷をかけるようにします。

この状態で太ももを倒す力(脚)と手で抑えている力(腕)と力比べをします。

そうすると負荷が抜けることが無く、自然とお尻が浮くような動作をすることができます。もちろん、柔軟性の問題がありますのであまり浮かない場合もあると思いますが、それで構いません。下腹部に効かせる動作をすることで下腹部に筋収縮が起こり、今持っている力を引き出すことができます。

脚が頭の方に行こうとしているのに行かせないようにしているわけですからおのずと下腹部に効くことになるわけです。

これだと体が硬い方でも効率よく下腹部の筋肉を動員させることができますので、ぜひ取り入れてみて下さい。

骨盤周りの柔軟性を高めるストレッチ

骨盤周りが硬い方は柔軟性を高めると、通常のレッグレイズができるようになりますので、負荷を高められますし、応用がきいてきます。

方法は、簡単です。

長座で座って床に両手を付いたら骨盤を動かして腰を丸めるような動作を繰り返します。

こうすることで腰周りの柔軟性が高められ、やがては通常のレッグレイズでお尻をうまく浮かすことができるようになります。

ぜひ、筋トレと合わせてストレッチも取り入れていただければと思います。

筋トレTV 出演・動画監修 森部昌広 先生
九州共立大学 経済学部准教授・経済経営学科スポーツビジネスコース主任・サッカー部部長、一般社団法人全日本コンディショニングコーチ協会代表理事、一般社団法人日本メンタルトレーナー協会理事、九州大学非常勤講師(健康・スポーツ科学)、財団法人福岡県スポーツ振興公社スポーツアドバイザー、株式会社GET専務取締役、アイ・エム・ビー株式会社取締役、森部塾塾長