動画ではスタッガードセット法についての基礎を学びます。正直、ボディビルなど徹底的に鍛え上げる場合以外はあまり用いられるテクニックではありませんが、差をつけるために取り入れてもいいかも知れません。動画に加え、下記テキストにて詳しく説明を加えていますので動画と合わせてご覧ください。
概要と補足
スタッガードセット法は、メインの種目を行い1セットまたは1種目が終わったら続けて弱点となる小筋群など(※)のトレーニングを続けて行うテクニックです。
弱点部位のトレーニング量を増やして、現在の限界を打破することを目的としています。
(※)ふくらはぎ、前腕、腹筋など。基本的にはメインの部位とは異なる部位を選択します。
スタッガードとは、直訳すると「交互の」「互い違いの」と言う意味で、スタッガードセット法はその名の通り、交互に種目を実施していくことになります。
交互に行う方法には2種類のパターンがあります。
セット間に取り入れる方法
一つめは、セット間に弱点部位の種目を挟んで交互に行っていく方法です。
一般的なセットの進め方は、10回など所定の回数行ったら30~90秒程度休憩を挟みますが(目的などによって休憩時間は異なる)、この場合、セット間に休憩を挟まず、続けて弱点となる部位の種目を実施します。
弱点部位が終わったら、さらに続けてメイン種目の2セット目に移る流れとなります。
例えば、メインが大胸筋、弱点部位がふくらはぎだとしたら、メインに大胸筋を鍛えるベンチプレスを1セット行ったら、続けてふくらはぎを鍛えるシーテッドカーフレイズを行います。(以下、例にはメインを胸、弱点部位をふくらはぎとして説明します)
これを1種目または複数種目にまたがって行います。
複数種目またがって行う場合は、2種目めに挟み込む種目は1種目めとは別の種目を行うようにします。
例えば、2種目めにインクライン・ダンベルプレスを行うとしたら、続けて行う種目は、通常のカーフレイズ(スタンディング・カーフレイズ)など、1種目めとは違うふくらはぎを鍛える種目を入れるようにします。
種目間に取り入れる方法
もうひとつの方法は、メイン部位の種目間(セット間ではない)に弱点部位の種目を挟み込む方法です。
一般的なメニュー構成としては、ターゲットとする筋群を鍛える種目を数種類組み合わせ、種目間には休憩を入れてトレーニングしますが、この方法では種目間に休憩を入れずに、続けて弱点となる部位のトレーニングを実施します。
所定のセット(3セットなど)を行い種目が完了したら、シーテッドカーフレイズなどメインの部位とは異なる小筋群などの種目を続けて行います。
組み込んだ種目も通常通り複数セット(3セットなど)行います。
シーテッドカーフレイズが終わったら、続けてインクライン・ダンベルプレスを行います。
インクライン・ダンベルプレスが終わったら、次は立位で行うカーフレイズ(スタンディング・カーフレイズ)を行うといった流れになります。
つまり、セット間と種目間の方法のいずれも、上記例で示すと胸の種目とふくらはぎ(腓腹筋・ヒラメ筋)の種目を交互に行う形となります。
セット間に入れるか、種目間に入れるかは、試行錯誤しながら、自分がやりやすい方法を選択するようにして下さい。
以下は、上記の方法を前提にさらに強度を上げる方法になります。
メイン種目の前に弱点部位の種目を入れる方法
上記の方法いずれにも共通するオプション的な方法として、メイン種目の前に弱点部位の種目を行い、よりトレーニング量を増やす方法があります。
例えば、メイン部位は胸だけど、メインの前にまずはシーテッドカーフレイズを入れて弱点部位のふくらはぎを鍛え、次に続けてベンチプレスを行うといった形です。あとの流れは上記で説明した通りとなります。
つまり、メイン種目から始めるのではなく、弱点部位から始める方法になります。
これは、メイン種目の前に入れるか、入れないかの違いになりますので、セット間、種目間のいずれの方法でも行うことができます。
セット間の方法であればメイン種目の前に1セット行い、種目間の場合はメイン種目の前に複数セット行うことになります。
スタッガードセットに加えて、さらに弱点部位を別にトレーニングする方法
さらにトレーニング量増やして強力な刺激を加える場合は、スタッガードセットに加えて、さらに弱点部位を通常通りトレーニングする方法があります。
ただし、非常に強度が高く、オーバートレーニングや怪我の危険もありますので、自分のレベルや体と相談して、メニューを決めるようにして下さい。
とは言え、スタッガードセット法が弱点部位のトレーニング量を増やすことを目的としているので、「メイン種目の前に弱点部位の種目を入れる方法」または「スタッガードセットに加えて、さらに弱点部位を別にトレーニングする方法」でメニューを組むのが本来の形かも知れません。
以上のようにスタッガードセット法は、トレーニング量が増えるため適切な休息を取らなければ弱点部位がオーバートレーニングに陥る場合があります。
そのため、スタッガードセット方は初心者の方には不向きなテクニックになりますので、経験を積んだのち試すようにして下さい。
頻度は、週一回を限度にし、オーバートレーニングの危険を最小限に抑えるようにしましょう。
スタッガードセット法の効果とメリット
- 弱点部位の強化に役立つ
トレーニング量が多くなるため、十分に追い込むことができます。 - エネルギー消費量が増大
有酸素運動までの効果はありませんが、継続的に運動を行うことで脂肪燃焼効果が期待できます。 - プラトー(成長の停滞)の脱出に有効
弱点部位の強化だけでなく、停滞している部位に刺激を入れて、さらなる成長を目指すことができます。 - トレーニング時間の短縮
休憩時間を設けないため、別々に行う場合に比べて筋トレ時間を短縮できます。
(スタッガードセットに加えて、弱点部位を別にトレーニングする方法を除く)