動画ではスーパーセット法についての基礎を学びます。下記テキストにて補足としてスーパーセット法のメリットや効果、やり方、種目の組み合わせ例(メニュー例)など、詳しく記載していますので、動画と合わせてご覧ください。
概要と補足
スーパーセット法とは、拮抗する筋肉(上腕二頭筋と上腕三頭筋など)を鍛える種目をわずかに休憩が入るか、全く休憩を入れずに2つ連続して行うトレーニング方法です。
(”同じ筋群”を休憩を挟まずに連続行うコンパウンドセット法と合わせてスーパーセット法と呼ぶことがありますが、ここでは区別します)
”わずかに休憩が入る”というのは、種目の切り替えやウエイトの調節などにかかる時間ということで、実質的な休憩はとりません。
筋トレ時間の短縮にメリット
スーパーセット法のセットのくくりはは、2種目を行って”1セット”とカウントします。
一般的にセット間には休憩を入れます。
ただ、ひとつのやり方のパターンとしてセット間にも休憩を入れず連続で行うこともできます。
2種目連続がスーパーセットなので、もはやスーパーセットではありませんが・・・
(これは、同じ部位を鍛える別々の種目を4種目以上連続で行う「ジャイアントセット」の仲間と考えてもいいかも知れません)
セット間に休憩を入れる場合は、1種目めは2種目めを行っている間、休んでいる状態なので、休んでいる時間を加味したトータル時間で休憩時間を考える必要があります。
そのため、通常通り休憩するとトータルでは休んでいる時間が長くなってしまいますので、実質的なセット間休憩は、短くする必要があるでしょう。
特に筋肥大を目的としている場合は、実質的な休憩は随分短くなるかと思います。
ただ、休憩時間をタイマーなどで厳密に計る必要はないかも知れません。
スーパーセット法は、即座の種目切り替えや心肺機能もより使うため、あまり厳密に休憩時間を気にしていては、トレーニングの質が落ちる恐れがあります。
そのため、セット間休憩をとる場合は、”通常よりは短く”または”通常の半分”など、ざっくりした感覚でとるようにするとよいでしょう。
これは人それぞれなので、もちろん、きちんと計ってもOKです。
セット間に休憩をせず連続で行う場合は、前の種目を行っている間、もう一方の筋肉は休んでいる(休憩)状態なので、連続して行っても動作に支障なくトレーニングを行うことができます。
また、”休んでいる”といっても完全に休んでいるわけでなく、関節の安定などで適度に運動に参加しています。
この適度な運動により”休んでいる”筋肉は緊張が解けて、クールダウン効果で回復が速くなるとされています。
そのため、人によっては心肺機能の制限はあるとしても、セット間に休憩を入れず連続してトレーニングできると言えます。
なお、セット間の休憩は、工夫できる部分なので、人によって様々です。
休憩するか、しないか、それとも長めにとるか、トレーニング経験の中で決めていくことができるようになるでしょう。
ここでは基本を示していると考えて下さい。
このようにスーパーセット法は、種目間の休憩時間がなかったり、セット間の休憩時間が短い(または無い)ため、通常のトレーニングに比べ筋トレの時間が短縮できるという特徴があります。
スーパーセット法自体は上級者向けのテクニックなので初心者にはおすすめできませんが、筋トレの時間がなかなか取れない中級者以上の方は、うまく活用してみてはいかがでしょうか。
初心者の方は、トレーニング経験を積んだのち、目的に応じて取り入れるようにしてみましょう。
スーパーセット法の効果
◆研究によるとスーパーセット法を取り入れた場合、筋力および筋肥大に有効であるとされています。
特にボディビルダーに人気があり、スーパーセット法を取り入れているボディビルダーが多くいます。
◆休憩せずに連続して行うことで、エネルギーの消費量が増大し、大きくはありませんが脂肪燃焼効果も得られます。
◆血中乳酸濃度が大幅に向上し、局所筋持久力の向上をもたらすとされています。
◆1種目だけ行うのに比べ、心肺能力も要します。
心肺機能がもともと低い人は、スーパーセット法を取り入れることで、心肺機能によい影響が現れることと思います。
心肺機能が向上してくると、2種目連続だけでは、それ以上の効果は望めませんが、セット間の休憩もなしにすることで、さらなる向上が期待できるでしょう。
◆バリエーションとして取り入れることで、成長が伸び悩んだとき、いわゆるプラトー(成長の停滞)に陥ったときの新たな刺激として、プラトー脱出のテクニックとしても有効です。
スーパーセット法のやり方
まず、スーパーセットを組む2種類の種目を選定します。
例えば、上腕二頭筋と上腕三頭筋をスーパーセットで行うとした場合、それぞれの種目を選びます。
組み合わせは様々ですが、一例を上げると、上腕二頭筋に「ダンベルカール」、上腕三頭筋に「フレンチプレス(トライセプス・エクステンション)」などを組み合わせ、この2つの種目を休憩なしで、連続して行います。
まずはダンベルカールで目標回数行ったら、すぐさまダンベルをひとつに持ち替えて、フレンチプレスを行います。
フレンチプレスで持ち替えるダンベルは、ダンベルカールで使ったダンベルの片方をそのまま使うと、おそらく負荷が足りないと思います。
そのため、両種目ともしっかりと追い込むためには、別にフレンチプレス用に設定された重量のダンベルを近くに置いておくのがいいでしょう。
このあたりは、トレーニング経験を積んでいく過程で試行錯誤していくことで身に付いていくことでしょう。
2種目を1セットとして、これを3~5セット行います。
上記でも説明した通り、1セット終わったら一旦休んでもいいですし、セット間も休憩なしで1種目に戻り繰り返してもOKです。
3セットするとして、セット間も休憩なしで行う場合は、6種目を連続して行うことになります。
スーパーセット法のメニュー例
組み合わせは様々ですので、トレーニング経験の中で自分に合う種目を組み合わせて下さい。
以下は筋肥大を目的としたメニュー例です。
「上腕三頭筋+上腕二頭筋」の場合
ダンベルカール(上腕二頭筋)・12回+フレンチプレス(上腕三頭筋)・12回
これを3~5セット
「大腿四頭筋+ハムストリングス」の場合
レッグエクステンション(大腿四頭筋)・10回+レッグカール(ハムストリングス)・10回
これを3~5セット
「大胸筋+広背筋」の場合
ベンチプレス(大胸筋)・8~10回+ベントオーバーロウイング(広背筋)・8~10回
これを3~5セット
「腹筋+脊柱起立筋」の場合
クランチ(腹直筋)・10~12回+バックエクステンション(脊柱起立筋)・10~12回
これを3~5セット
クランチ、バックエクステンションともに10~12回が限界になるように、負荷を加えて行います。
クランチの場合は、プレートやダンベルを胸の上において行い、バックエクステンションの場合は、プレートやダンベルを上背部において行うようにします。
初心者の方は基本の習得から
初心者の方は、フォームが整わないまま行うと効果を損ねたり、怪我に繋がることがありますので、ここでは知識として頭にとどめておいてください。
まずは、実際の筋トレにおいて種目のフォームや強度の設定など、基本を習得することに専念しましょう。
一定のトレーニング経験を積んだのち、刺激を変えたい場合、マンネリ化してきた場合、伸び悩んでいる場合など状況に応じて取り入れることを検討するとよいでしょう。