3種目を連続して行うことで、上腕三頭筋(二の腕)を強力に刺激し引き締める筋トレテクニックを実演・解説します。椅子だけ用意すれば自宅でトレーニングすることができます。二の腕を引き締めたい人、たるみを予防・解消したい人はぜひ取り入れてみましょう。



鍛えられる筋肉

第1ターゲット ・・・ 上腕三頭筋

テクニックの解説

今回のトレーニングでは、自重で行うトライセット法を取り入れています。

トライセット法では、種目間に休憩を挟まずに3種目連続でトレーニングすることでターゲットとする部位を強く刺激します。
セットのカウントは、3種目完了して1セットとなります。

組み合わせる種目は、順番に(1)「脚上げディップス(リバースプッシュアップ)」、(2)「ディップス(足を床につけた姿勢)」、(3)「ダイヤモンド・プッシュアップ」の3種目です。これを休憩を挟まずに連続で行います。

当然ですが、これらの種目を一般的なストレートセット(種目間に休憩を挟むセット形式)で1つずつ行うよりも強度が高くなります。
そのため、はじめの内は3種目をクリアすることが難しい場合もあるかも知れません。
その場合は、1種目を正しいフォームでクリアできることろからはじめ、体力アップに応じて2種目、3種目と増やしていくようにしましょう。

ただ、このトレーニングでは種目ごとに強度が落ちていくので、比較的取り組みやすい筋トレになっています。

男性であれば1セットを難なくクリアできると思いますので、その場合は2~3セットを目標にトレーニングして下さい。

女性は1セットをクリアするのも難しいかも知れません。

特に1種目めの脚上げディップスから困難が待ち受けています。
筋力が低い人とっては強度が高く、10回をクリアできないかも知れません。

脚上げディップスは、リバースプッシュアップとも言われプッシュアップ(通常の腕立て伏せ)の体勢を逆にして行う種目です。
そのため、腕立て伏せができない人は、脚上げディップスもうまくできない可能性があります。

その場合は、1種目めの脚上げディップスは行わず、2種目めの足をついて行うディップスを20回行って下さい。それをもって2種目分とします。
連続20回反復できない場合は、休み休み行ってもOKです。ただし、5秒以上休憩しないようにします。
ちょっと休んだらすく始めるくらいの感覚で行って下さい。

その方法で週2~3回(2~3日おき)を4週間行ったら、20回を10回に減らし、通常通り1種目めの脚上げディップスからチャレンジするようにしてみましょう。

なお、3種目めのダイヤモンド・プッシュアップができない場合は、肘を曲げる角度を浅くして反復するようにします。
ちょっとだけ肘を曲げたら伸ばす。それを反復する形です。
それもできない場合は、伸ばしたまま10~30秒静止する形をとります。
できれば、肘をわずかに曲げた状態(肘をロックしない形)で静止すると効果的です。
これらの方法を試したら、筋力アップに応じて、肘の角度を深くしていけるように頑張ってみましょう。

強度の高め方

目標とする肉体やスタイルが手に入った場合は、最終段階のトレーニング強度で週一回程度トレーニングを継続していけば維持できるされています。(一般論です。年齢、食生活、生活環境などに変動があれば、維持するためのトレーニングも変化するかも知れません)

しかし、目標にまだ到達していないとしたら話は別です。
その場合は、「漸進性の原則」および「過負荷の原理」に従って、以前よりも高い負荷・刺激を筋肉に与えていく必要があります。それが積み重なって目標とする体に近づいていくことになります。

どの段階で目標に到達するかは分かりませんが、僅かずつでも負荷を上げていけば、いずれ目標に到達することになるでしょう。(もちろん、適切な栄養と休養も確保されていなければなりません)

ということで、あなたが目標とする二の腕になるための強度の高め方を以下に示したいと思います。
目標に到達したら、週1~2回程度、到達したときの強度でトレーニングを継続していけば維持できるでしょう。

まずは1セット(各種目10回ずつ)を目標としますが、セット数を増やすことで強度を高める方法があります。
当初から楽にできた場合や体力が向上してきたら2~3セットとセット数を増やすようにしてみましょう。

それもクリアしたら、反復回数を増やすことで強度を上げるようにします。
まずは、1種目めを反復できなくなるまで繰り返します。そして2種目め、3種目めは10回ずつ行います。
セット数は体力に応じて3セットまで増やします。

これもクリアしたら、1種目めと2種目めを反復できなくなるまで繰り返します。
セット数は体力に応じて3セットまで増やします。

最終段階として、3種目全部に対して反復できなくなるまで繰り返し、セット数は5セットを上限として増やします。

女性など二の腕を引き締めたい人は、最初のセット数を増やす形でトレーニングしていけば、おそらく目標に到達できます。

引き締めた上で筋量をアップさせ立体感を獲得したい人は、最終段階まで行う必要が出てくるかもしれませんが、程度によっては最終段階まで行かずとも目標に到達することもあります。

細マッチョやゴリマッチョを目指している場合は、最終段階のトレーニングを継続していっても納得いく二の腕が手に入らないこともあるかも知れません。
その場合は、ダンベルなど道具を使ったトレーニングに切り替える必要が出てくるでしょう。

ただ、細マッチョまでを目標としている場合だったら、ここで紹介している筋トレで多くは目標に到達できると思います。
細マッチョがどのような体なのかは、人それぞれ認識に違いがあるので一概には言えませんが、スタイリッシュで適度に筋肉のついた上腕三頭筋は手に入れられるでしょう。

まずは筋トレを継続することが大切です。
その中で徐々に強度を高めて目標とする上腕三頭筋(二の腕)を目指していきましょう。

上腕三頭筋(二の腕)トレーニングの種目解説

トレーニングで実践する3種目をそれぞれ解説します。

脚上げディップス(リバースプッシュアップ)

2つの椅子を前後に並べ、片方の椅子に手をつき、もう片方には足を乗せます。(椅子の間隔は、脚を伸ばした時、かかとが乗る位置に配置)

腕を真っ直ぐに伸ばし(肘をロック)、脚を伸ばした姿勢がスタートポジションとなります。

この姿勢から肘が体からあまり離れないようにして、肘を曲げていきます。
柔軟性に左右されますが、できれば肘を内側に寄せるイメージ動作しましょう。

肘の角度が90度程度になったら、肘を伸ばして元の姿勢の戻り、同様の動作で反復します。

動作中は、肩をすくめないようにして上腕三頭筋へ負荷を集中させるようにします。

肘の角度が90度になるまで曲げることができない場合は、可能なところまで曲げる形で反復します。
体力に応じて徐々に深く曲げられるようにしていきましょう。

動作中は背筋をまっすぐに保ち、が丸くならないように注意して下さい。

ディップス(足を床につけた姿勢)

脚を床に付けた状態で行う以外は、脚上げディップスと同様の動作になります。
上記を参照してください。

ちなみに脚を手前に持ってくるほど負荷が軽くなり、脚を遠くに伸ばすほど負荷が高くなります。
基本的は、動画で紹介している方法で行うとよいでしょう。

ダイヤモンド・プッシュアップ

椅子に手を置き、脚を伸ばします。

手はそれぞれの人差し指と親指をつけて三角形の形を作ります。

手首の位置が肩の真下にくるようにしたらスタートポジションとなります。

この姿勢から肘が外側に開かないようにして、肘を曲げていきます。

下ろせるところまで下ろしたら、元の姿勢に戻り、同様の動作で反復します。

1回も反復できない場合は、肘の角度を浅めにして行ってみましょう。

動作中にお腹が落ちて腰が反ってしまわないよう意識して動作するようにして下さい。

テクニックの筋トレ効果

筋肥大には限界がありますが、3種目連続で反復することで二の腕を追い込み、引き締めることができます。

男性だと適度に筋肉がついた整った腕を目指すことができます。

女性だと二の腕のたるみを予防・改善しスタイリッシュな腕周りを作ることができます。

正直、脂肪がついていたら”腕の太さ”には大きな変化は見られません。

ただし、筋肉が引き締まることにより腕に張りがでてきます。
筋肉が吸盤のようになって、その上にのっている脂肪を内側に引き寄せるイメージです。

その結果、たるみが改善され、他の人から見たときよい印象を受けることになるでしょう。

太さも改善したい場合は、脂肪を落とす必要があります。
筋トレを続けていくことを前提にすると1年以上の長期スパンでは脂肪燃焼効果も期待できますが、大きな効果とまでは言えません。

比較的早く脂肪も落としたい場合は、軽めのジョギングなど有酸素運動を取り入れたり、食事を見直すことが必要になってくるでしょう。

一時的ですが、トレーニング直後のパンプアップ感も見過ごせません。

3種目を連続で行うことで、上腕三頭筋が十分に刺激され、即時的にパンプアップ感を得ることができます。

筋肉が張った感じが得られるので、筋肉を触ることで二の腕が正しく刺激されているかどうかを確認できます。
あまり張った感じがなければ、フォームを確かめたり、上腕三頭筋を意識して動作するようにしてみましょう。

同時に筋トレを続けていくためのモチベーションとしてパンプアップ感の現れは有効となります。

筋トレの効果はすぐには現れません。

特に筋肥大やたるみ改善など、見た目の変化が感じられるには初心者の場合だと2~3ヶ月かかります。
その間に挫折する人が少ないのですが、この間はパンプアップ感、筋力アップに伴う重量・強度・回数のアップ、日頃の疲れにくさなど見た目の変化以外の部分で効果を認識し、続けていくことの原動力にしていく必要があります。

根気強い人であれば変化がなくても続けられるでしょうが、すべてがそうではありません。

目に見えない部分にも筋トレ効果を見いだすことは、筋トレを継続していくためのモチベーションを高め、結果的に成果を高めることにもつながっていくのです。

そのような中、一時的ですがパンプアップ感を得られることは、次なる原動力として機能し、その積み重ねが目に見える効果へと結びつきます。

その他、有効性としては各自で組んだメニューの最後に1セット行うのもいいでしょう。最後の締めとして追い込むことができます。
この場合、回数を10回と限定せずに、各種目をできなくなるまで反復するのがポイントです。
限界まで反復すれば、それが10回以下でもOKです。
体力に合わせて取り入れてみて下さい。

また、マンネリ化やプラトー(成長の停滞)を防ぐためにバリエーションとして取り入れるのも有効です。
時々、通常の種目から切り替えて実施してみて下さい。
この場合も上腕三頭筋を鍛える筋トレの最後に取り入れてみて下さい。

目標回数と頻度

  • 【回数】(10回×3パターン)×1セット
    ※1セットが楽にできるようになったら、体力に応じて2~3セット実施(セット間に1~3分間の休憩を入れる)
    ※3セットが楽にできるようになったら、体力に応じて1種目のみ~3種目全部の反復を限界まで繰り返す。
  • 【頻度】2~3日おき
    ※疲労度に応じて調節する
    ※筋肉痛が残っていたり、違和感などがある場合はもっと空ける