ミニバンドを使ってお尻の大きな筋肉・大臀筋を引き締めることができる「ヒップエクステンション」を実演・解説します。上半身は固定したまま股関節を起点に脚をうしろに動作させるのがポイントです。正しい動作でしっかりと効果を出していきましょう。
鍛えられる筋肉
第1ターゲット ・・・ ■大臀筋(大殿筋)
第2ターゲット ・・・ ■ハムストリングス(太もも裏)
種目解説
この種目はバンドを利用することで、自重よりも強度を高めてお尻の大きな筋肉・大臀筋を鍛えることができます。
最初からバンドを使ったヒップエクステンションを実践してもいいですし、自重でうつ伏せになって行うオルタネイト・プローン・レッグレイズに慣れてきたり、物足りない場合のステップアップとして実践してもよいでしょう。
動作方法は、ミニバンドを両脚に通して足首あたりに装着し、脚の幅を肩幅程度に開きます。
手は腰に添えてスタートポジションを取ります。
この姿勢から片脚をうしろに上げて伸ばし、可動域を十分に使って伸展させるようにしましょう。
この時、片脚立ちになるため体がゆらゆらしてバランスが取りにくい場合があるかも知れません。
その場合は、壁を正面に手をついて行ってもOKです。
股関節の屈曲(前に曲げる動作)と違って、伸展(うしろに曲げる動作)は可動域があまり大きくありません。
それゆえ、あまり動作していないと感じて、無理に伸展させようとしてしまいがちになります。
その時どのような動作になるかというと、上体が傾いで見せかけの動作になったり、体が斜めになって脚を斜めに上げてしまうことが少なくありません。
そのため、動作させる脚以外はできるだけ動かさないことを意識して、体を真っ直ぐに保ち動作することを心がけましょう。
股関節を軸にしっかりと伸展させれば大臀筋はよく働きます。機能解剖学的には、15度以上伸展させることで働くとされています。
お尻がギュッと力強く固まれば、可動域が狭いとしても自分ができうる限り伸展させていれば(この時点で15度以上伸展されていると考えられます)、それが正しい動作になりますので、お尻に力が込められているかどうかを重視して動作するとよいでしょう。
大臀筋の収縮を意識しづらい場合は動作中にお尻を触って確認することは、正し動作を身に付けるためにも有効な方法になるでしょう。
しっかりと伸展させたら、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
その際、バンドの張力に逆らうようにしてゆっくりコントロールして戻るようにすることが大切です。
力を抜いて反動で戻してしまうと効果が半減してしまうので細心の注意を払うようにして下さい。
戻る動作は、伸ばし切ってきつい中、さらに追い打ちをかけるようにきつい局面となります。
反復が進むつれてその傾向が顕著となり、力を抜きたいと思うのが人の自然な感情でもあります。
でも、そこがのちに大きな差となって効果に影響するポイントとなります。
筋トレにおいて、楽しようとする意識がもっとも強大な敵です。
”力”も”気”も抜かずに、しっかりと動作することを心がけましょう。
回数は、はじめの内は3回、慣れてきたり、体力が付いてきたら5回、最終的には15回まで範囲で回数を増やしてみましょう。
ヒップエクステンションの効果
ヒップエクステンションでは、ヒップを上げて、整った形のお尻を作るのに有効な筋トレです。
この点から平たんなお尻や垂れたお尻を改善する効果がありますので、スタイルをアップさせたい人はぜひトレーニングしてみて下さい。
正しい動作でトレーニングを継続していけば、ヒップが上がり、丸みを帯びたお尻が実現できることでしょう。
脂肪が多く、お尻の大きさが気になっている人は、ヒップエクステンションと並行して週3回程度のランニングを行うことで、お尻が引き締まり、脂肪の減少と相まってスタイリッシュなお尻が現れてきます。
ヒップエクステンションとランニングを交互に行うと継続的な運動としても有効です。
月・水・金はヒップエクステンション、火・木・土はランニングなど交互に行うとよいでしょう。このパターンでは、日曜日は完全休養としてお休みとします。
続けることが肝心です。
効果がでる前に止めてしまう人が少なくありません。
最低でも3ヶ月間は続けて効果を実感して下さい。
そうなると運動を習慣化でき、スタイルアップと同時に健康的な体も維持、向上できることになるでしょう。
ヒップエクステンションは股関節の伸展度運動なので、太ももの裏の筋肉・ハムストリングスも働きます。
お尻の引き締めだけでなく、太もも裏のラインを整えるためにも効果的です。
意外と人から見られているが、うしろのラインです。
お腹など前のラインだけでなく、この機会にうしろ側もしっかり整えていきましょう。
また、アブダクションと組み合わせると、横のラインも整えられ、より洗練されたお尻、腰回りを作ることができます。
ミニバンドには、張力の強弱によりいくつかの種類がありますが、女性の方であれば、ミニバンド ライトで十分にトレーニングすることができます。
最初から各強度がセットになったバンドを用意しておくのもいいかも知れません。
ポイント
- 動作中は股関節を起点に可能な限り伸展させる。
- 脚をうしろにどこまでも上げようとして上体が傾かないようにする。高く上げるのではなく、しっかり伸展させることが重要
- 元の姿勢に戻る際は、バンドの張力に反発するようにして、ゆっくりとコントロールして戻るようにする
- 片脚立ちでバランスを取ることが難しいようなら、壁に手をついて行ってもOK
目標回数と頻度
- 【回数】(初期目標)左右各3~5回×1~2セット (最終目標)左右各15回×3セット
※回数、セット数は、体力アップに応じて増やすようにします。 - 【頻度】1~2日おき