太もも裏(ハムストリングス)とお尻に加え、体幹も強化できる筋トレ方法を実演・解説します。この種目は、片脚ずつ動作するため、バランス感覚も求められます。そのため、難易度が高く、体幹に対する刺激も通常のルーマニアンデッドリフトよりも高まることになります。
鍛えられる筋肉
第1ターゲット ・・・ ■ハムストリングス(太もも裏) ■大臀筋 ■脊柱起立筋 ■腹横筋
種目解説
ユニラテラル・ルーマニアンデッドリフトは、片脚で動作するため一般的なルーマニアンデッドリフトに比べて不安定な状態を強いられます。
※ユニラテラルとは、「片側のみの」と言う意味で、筋トレ種目においては片側のみで実施する種目のことを言います。
そのため、動作を通じてバランスの保持や体幹の固定にも力を注ぐ必要があるため、太ももやお尻に加えて、腹横筋を強化することができます。
なお、通常のルーマニアンデッドリフトでも体幹を固定するため腹横筋は使われていますが、ユニラテラル・ルーマニアンデッドリフトはそこにバランス保持が加わるため、より腹横筋に刺激が入ることになります。
活用場面としては、脚の太さが左右で違うことが気になっていて、そのアンバランスを改善したい場合、立った姿勢で重心バランスに違和感を感じている場合、脚を前後に開いた形で動作するようなスポーツで片側の筋力や全身のバランス力を強化したい場合、あるいは体幹を固定する感覚を養う場合などに有効となります。
また、目的によらず道具がない場合などに自重で負荷を高める(強度を上げる)上でも有効です。
スポーツにおいては、どちらか一方の脚に重心を乗せるようなスポーツにおいて活用できます。
例えば、野球などの球技では踏み込んだ脚(前に出す脚)の安定性を向上させる、ボウリングでは投球動作で着地する際の強化とバランス力をアップさせる場合などに有効です。
片脚での動作になると両脚で行う場合に比べ、片脚に負荷が集中することと、より高度なバランス力が求められるため、格段に難易度が上がります。
自重でのスクワットを片脚でやってみると分かるのですが、通常のスクワットとは比べ物にならないくらいきついし、バランスを取るのもたいへんだと思います。
そのため、まずは、ダンベルなどのウエイトを持たずに行ったり(※)、軽めの負荷で行い、フォームの習得とバランス感覚を身に付けることが肝要です。慣れてきたら、徐々に負荷を上げていくようにしてみましょう。
(※)腕はダンベルを持っているときと同じように下げるようにします。床に手を触れるようなイメージ。
また、筋力やバランス力の問題で、フィニッシュポジションまで(下まで)下ろせなかったり、下ろせてもぐらつきがひどい、または回数がこなせない場合もあると思います。
そのような場合は、無理に下ろさずに、フィニッシュポジションまで下ろせなくても、下ろせる範囲内で動作するようにしてみましょう。
無理に動作すると、正しいフォームの習得に支障が生じたり、怪我の誘発にも繋がりますので、「正しいフォームで動作できる範囲内で反復する」ということを念頭に取り組んでみて下さい。
例えば、膝をごく浅くしか曲げられず、上半身は45度くらいしか傾けられないとしても、正しい動作で下していく過程であれば、その範囲の動作OKです。
筋力アップに伴い、少しずつ下ろす範囲を広げていくことで、いずれフィニッシュポジションまで下ろせるようになり、全可動域を使って動作できるようになるかと思います。
繰り返しになりますが、筋トレ初心者においては”正しいフォーム”で動作することがもっとも重要です。
誤ったフォームでトレーニングを続けると怪我の誘発やのちのち成果に少なからず影響し、”急がば回れ”になってしまいます。
怪我については、その時に気づかなくてものちのち違和感を感じることがあります。
例えば、肩を回したら肩周辺に引っ掛かりを感じたり、腰に鈍い痛みを感じるようになる場合があります。
くれぐれも正しいフォームを意識して筋トレに励んでいただきたいと思っています。
話がそれましたが、ユニラテラル・ルーマニアンデッドリフトのポイントとしては、動作を通じて、お腹に力を入れて体幹を固定し、背筋をまっすぐに保ったまま動作することです。
また、膝を曲げた時、膝がつま先よりも前に出ると膝への負担が大きいため、できれば脛(すね)を床と垂直に保つか、前に出してもつま先に揃う程度で留めるようにしましょう。
ポイント
- 動作中は背筋をまっすぐに保ち、丸くならないように注意する
- つま先が膝よりも前に出ないように注意する
- 正しいフォームを意識する。正しいフォームで最後(フィニッシュポジション)までできない場合は、正しいフォームでできる範囲で反復する
- ダンベルを使うと負荷が高すぎて反復できない場合は、何も持たずに行う。体力アップに応じてダンベルで強度を高める。
目標回数
左右各8~15回×2~3セット
※セット数は、体力アップに応じて5セット程度まで増やします。