ユニークな体幹トレーニングを2種類ご紹介します。1つは立った姿勢のまま体を反らすことで体幹に負荷をかけ、もう一つはブリッジのような姿勢から体をひねることで体幹い負荷をかけていきます。普段の体幹トレーニングのメニューがマンネリ化してきたり、停滞している時の脱却に役立つだけでなく、スポーツパフォーマンスの向上にも大いに役立てることができます。
立った姿勢で行う体幹トレーニング
競技スポーツのパフォーマンスアップにも効果的「ウインドミル」
体を反らして体幹を鍛える
自宅でできる体幹トレーニングをご紹介してきます。
体幹を鍛える種目ではプランクなどが有名ですが、今回は、ブリッジの動きを行うことで、立った状態で出来る体幹強化の方法になります。
あまり一般的ではありませんが、いろいろな方向から刺激を加えるためのバリエーションとして有効活用できます。体幹メニューに組み入れる方法の一つとして参考にされて下さい。
この体幹トレーニングでは、真っ直ぐな状態からいかに体をうしろに反らすことができるかがトレーニングの負荷になります。
背骨は丸まったり反ったり横に曲げたり、あるいはひねったりということで非常に柔軟性の高いパーツです。反った状態から元の状態に戻る時に腹筋が縮むことによって元の姿勢に戻ることができます。
それを最大限に活用する種目が今回ご紹介する体幹トレーニングであります。
トレーニング方法
まずは、直立姿勢を取ります。
この時、足はある程度広げておいた方がやりやすくなります。また、閉じて行うと腰にストレスがかかってしまって腰痛の原因になりますので足は少し広げて行うのが基本となります。
脚を広げたら、お尻をグッと締めて、お腹をへこませます。この状態から体を少しずつうしろに倒していきます。
どこまで倒すかは個々人の柔軟性によって違いますが、ポイントとしては膝をあまり曲げないようにします。膝を曲げてしまうと太ももで運動を支えてしまいますので、体幹部への刺激が少し弱まりますから膝は出来る限り伸ばす、そしてお尻を締める、お腹をへこます、この状態から倒れていくようにします。
自分ができる範囲の中で可能な限り倒れたら(反らしたら)、そこで静止します。
バランス的には頭上方向へ徐々に体重がかかっていきますので、筋力が脱力していまうと体がうしろに移動してしまうことになります。場合によっては頭を打ったり、転倒してしまったり、事故が起きる可能性がありますので、そう言う事が無いようにしっかりと足を踏ん張って脱力しないようにして下さい。
また、足指で床を握りしめるようにして安定させることも大切です。
反らし切ったポジションまできたらそのポジションをキープします。
私(森部先生)の動きを見てもらえると分かりますが、倒れた時に体が震えています。いっぱいいっぱい筋力を使って体の長さや重みを支えていることが分かると思います。(見た目以上に)非常に強い負荷がかかっていますので、かなり体幹部の強化に有効になりますし、足が地についた状態で行っていますので、他のスポーツの動作とかにも応用がききやすいようなトレーニングになります。
トレーニングパターンとしては、ゆっくり倒して元に戻すことで1回と数えて回数をこなしていく方法もありますが、実はうしろに倒れて我慢するのが一番きついわけです。
従いまして、何秒我慢できるかということで、時間をどれだけ延長できるか、この持続時間によってトレーニングの負荷を高めていくのが効果的かと思います。
最初は5秒とか、10秒とか、確実にできるところから始めて腰が痛くならないように注意して下さい。
そのためには、お腹をグッとへこまして力を入れた状態で徐々にうしろに倒れていくことが大切になります。可能な限り膝が曲がらないように頑張ってみましょう。
競技スポーツのパフォーマンスアップにも効果的「ウインドミル」
ウインドミルは、非常にダイナミックな動作を伴います。
そのため、競技スポーツをやっている人にとっては、自分が行っているスポーツの中で使うような動作がこの中から強化されていきます。特に体をひねると言う動作に対して強い刺激を与えることができますし、体のバランス感覚、それからリズム感、こういうところが強化できますので無理のない範囲で少しずつ行っていただければと思います。
やり方としては、体はブリッジに近い状態になります。ただ、完全なブリッジではなく半分だけブリッジするような動きになります。
足を少し広めに広げます。この状態から体をうしろに倒していきながら、片手を床に付きます。要は両足と片手の3点で自分の体重を支えることになります。
体を倒していくときに多少膝は曲がりますが、かかとも少し浮かして上げた方がバランスはとりやすくなります。
柔軟性の高い人で、楽にできる場合はかかとを付いたままでも構いません。
トレーニング方法
腰をひねりながら片手を付き、片手両足の3点でバランスを取ります。
そこから、お尻は下に落ちないように高いところでキープしたまま、反対の方向に体をひねります。このひねりの動作を左右交互に行っていきますが、なるべく高さが変わらないようにリズミカルに連続して動作を行っていきます。
太ももの筋肉は太ももが曲がった状態ではありますが、レッグエクステンションのような動きでアイソメトリックな筋収縮をした状態で動作がコントロールされています。
下半身を固定した状態で体幹部のツイスト運動を行う。そのことによって腹直筋がアイソメトリックに近い状態、そして外腹斜筋・内腹斜筋で体をダイナミックに動かすという運動を可能にしています。
お尻が落ちてしまうと体幹のストレスが逃げるだけでなく太ももの筋肉も緩んで膝関節に負担がかかってしまいますから、できるだけお尻が落ちないように注意をして高いポジションでトレーニングを反復して下さい。
その他のポイントとしては、手のひらは床にベタッとつけるのではなく、親指・人差し指・中指の3点で支えることになります。この場合、体重が完全に手に乗ってしまうことはありませんので、脚の方でほとんどの負荷をコントロールしています。足の指が浮かないように注意して、しっかりと体を支えて軸を崩さないように左右同じバランスで体をひねっていくようにして下さい。
【関連ページ】
筋トレTV 出演・動画監修
森部昌広 先生
九州共立大学 経済学部准教授・経済経営学科スポーツビジネスコース主任・サッカー部部長、一般社団法人全日本コンディショニングコーチ協会代表理事、一般社団法人日本メンタルトレーナー協会理事、九州大学非常勤講師(健康・スポーツ科学)、財団法人福岡県スポーツ振興公社スポーツアドバイザー、株式会社GET専務取締役、アイ・エム・ビー株式会社取締役、森部塾塾長