前回は、強度を高めた腹筋トレーニングのバリエーションとしてPart1を実演解説しましたが、今回はシックスパックや引き締めなどのボディメイク、そして競技スポーツに活かすため、さらに強度を高めた腹筋トレーニングを実演解説します。メインの種目はVシットです。しっかりマスターしてみちがえる腹筋を作ってください。 



まだまだ腹筋を強くしたい人のためトレーニング

腹筋群が順調に強くなってきたら、さらにそこからパワートレーニングの方に移行していきます。

競技スポーツなどにも応用しやすくなりますので、段階を追って腰痛が無い、腹筋群が十分に強くなっている、こうした方でさらにそれに柔軟性も付いてきている場合の方には「Vシット」という非常に有効な筋トレがありますので、今回はVシットを含めて2種目ご紹介したいと思います。

Vシットの前段階としての強度を落とした腹筋トレーニング

両膝、それから両肘を同時に伸ばして縮めるという動作を反復することで体幹部に負荷をかけていきます。

縮める(縮こまる)ときは、体の真ん中の真上くらいで肘と膝をくっつけるような動きになります。伸展して伸びた時というのは、真っ直ぐに直立した姿勢に近いところまで体を伸ばします。




実際には脱力すると腰が反ってしまって危ないので、脚と上半身は少し浮いた状態にする必要があります。そのため、完全に床と平行というところまで行きませんが、その範囲の中で体を縮めて伸ばすということを反復していきます。

まずはゆっくりとしたところから形を作っていきましょう。

足首の状態は90度で固定します。

そこから肘と膝をくっつけるようにして動作します。そして逆の軌道で元の姿勢に戻りますが、そのとき脚と背中は若干浮かした状態を保つようにします。

フォームを確認する意識で、比較的ゆっくりとした速度で体幹部を刺激して、その時に腰痛とか不自然な痛みが無いということが確認できた場合、加えて右脚と左脚がバラバラにほどけて上がってこない、つまり両脚が揃って上がってくることが確認できたら少しずつスピードを上げていきます。

この場合のトレーニングの負荷の上げ方というのは、スピードが早くなることによって体幹部分への負荷を上げていきます。

1分間、30秒、こうした反復時間の単位を変えずに、そこの中で連続何回できるかということをトレーニングのパフォーマンスとして記録に残していきましょう。

ある程度筋力が付いた方の場合は、縮めるスピードを徐々に速くしていき、そのことによってトレーニングの負荷を上げていくようにします。

Vシットの方法(一般的な方法)

このように肘と膝を付けていくとき腕と脚を一緒に丸めていきますが、これは稼働する範囲が短いので体幹にかかる負担はそれほど大きくありません。

そのため、さらに強くなってきた方の場合は腕と脚を両方伸ばした状態で行います。これが一般的なVシットと言われる方法になります。

横から見た時に体がVの字になることからVシットと呼ばれています。

軸になる部分は床に付いているお尻です。脚と上半身が同時に起き上がってこないと、体が前後に揺れてバランスが非常に取りにくくなりますから、最初はまずバランスを取るためにゆっくりした動作で動きを作っていきましょう。

体を起こしていきながら、脚も同時に持ち上げていきます。この時、肘も脚も伸ばしたままにします。

上半身が上がる前に先に手を振ってしまうと手だけのトレーニングになってしまいますので、腹筋や体幹を強化したいという目的を十分に達成することができません。

少しきついですが上半身が動くのを待ってから腕と脚を動かすようにすると体幹の筋力が緩むことなくトレーニングすることができるので、まずは動きのバランスをしっかりと作っていくようにしましょう。

慣れてきたら最初の種目と同じように徐々にスピードを上げていくことになります。

あくまでも体を折り曲げていく形で体を上げていくわけですが、実際にクランチシットアップをする時のように背中が極端に丸くなるということは無く、ある程度筋収縮を起こした時点でほとんど上半身と脚は同時にVの字に近づいていくような形で動くことになります。

途中からアイソメトリックに近いような形になりますが、非常にダイナミックに動きますので、かなり体幹部分を強化することができます。

走る種目、それからボールを投げる、あるいは蹴る、そうしたときに強い体幹が必要になってくるわけですが、こうした競技スポーツの中でも有効になってきますので、ぜひ慣れてきたらVシットも取り入れたらよいでしょう。

回数について

Vシットを正しく行おうとするなら技術的にも強度的にも非常にレベルの高い筋トレになります。

そのため、まずは、回数にこだわらず正確なフォームを意識して今の自分にできる回数を反復するようにします。もし、正しいフォームで3回しかできないなら、それで構いません。ただし、この場合はフォームの習得ということで、1回のトレーニングにつき休憩を挟みながら何回か行うようにして下さい。

例えば、3回、2回、3回、4回、2回など正しいフォームでできる回数を複数セット行うようにします。これを継続していくことで正しいフォームでできる回数が伸びていき、非常に効果の高い充実して筋トレを行うことがでkます。

そして、回数が伸びてきたら、30秒や1分など反復時間の目標を作って、自分ができる限界まで反復します。フォームが崩れてきたり、反復できなくなるまで繰り返すんですね。ここでは1セット行うことにします。

次に慣れてきたら、セット数を増やします。1セットだったものを2セット、さらに慣れてきたら3セットと増やし、上限5セットまで増やしていきます。

くれぐれも正しいフォームを守ってトレーニングするようにして下さい。但しフォームで行うことは、効果を高めるためにも、怪我の防止にも大きく貢献することになります。

セット間のインターバル(休憩)は、疲労度に応じて60~90秒程度入れるようにしましょう。

頻度について

筋トレ初心者の方は、1日置きを目安として、慣れてきたら毎日行うようにます。ただし、体調がすぐれない場合や疲労が抜けないような場合は、1~2日休んで様子を見るようにしましょう。

最初はVシットを正確に行うことが非常に難しいと感じるかも知れませんが、続けていけば必ず正しいフォームでできるようになります。

成功の近道は途中で諦めずにトレーニングを継続していくことです。頑張ってください。

筋トレTV 出演・動画監修 森部昌広 先生
九州共立大学 経済学部准教授・経済経営学科スポーツビジネスコース主任・サッカー部部長、一般社団法人全日本コンディショニングコーチ協会代表理事、一般社団法人日本メンタルトレーナー協会理事、九州大学非常勤講師(健康・スポーツ科学)、財団法人福岡県スポーツ振興公社スポーツアドバイザー、株式会社GET専務取締役、アイ・エム・ビー株式会社取締役、森部塾塾長